第五章 トリスタニアの休日
第五話 赦し
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なドレスを広げるアンリエッタに、士郎がルイズ用に買った平民の服を見せる。
「ルイズの服があるが」
「それを貸してください」
士郎から服を受け取ると、アンリエッタは士郎にニッコリと笑い掛けた。
「着替えるので後ろを向いていてください」
「あ、ああ」
言われるままに、くるりと後ろを向いた士郎の後ろで、アンリエッタがドレスを脱ぐ音が聞こえる。
ルイズの服を着るのはいいが、サイズは合うのか?
士郎の心配は的中し、
「少し苦しいですね」
士郎が振り向くと、弾けんばかりに服を押し上げるアンリエッタの姿があった。
それだけでも充分過激であるのに、
「そうです、こうすれば」
止める間もあればこそ、自然な動きで胸のボタンを二つほど外した。
それなり以上にある胸が、ボタンが外れるに合わせ、胸がプルンと震えるのを、目で追ってしまうのは仕方ない。
「どうですか?」
上目遣いでこちらを見上げてくる姿に、思わず顔でなく胸にいってしまうのは……まあ、これも仕方ない。
小さく何度も頷く士郎に、アンリエッタが不思議そうに小首を傾げる。アンリエッタの疑問の顔に気付いた士郎は、苦笑いを向けた。
「ちょっとばかり過激すぎだ」
「確かにそうですが、ルイズの服は小さいですので仕方ないかと」
「……俺が手を加えてもいいか」
士郎が聞くと、アンリエッタが小さく目を見開き驚きを示す。
「そんなこと出来るんですか?」
「幸か不幸か人生経験は豊富でな」
「……それではお願いしても」
「了解した」
そうして士郎は、女王さま改造計画を実行した……主に自分の理性のために。
「衛兵の数が多いな」
「そうですね」
物陰から辺りを見渡す士郎の脇からアンリエッタも覗き込み頷く。
女王が姿を消したとなればしょうがないとは言え、これに見つからずにくぐり抜けるのは。
アンリエッタの今の姿は、先程のピチピチの服の上に、士郎が最速で作り上げたカーディガンもどきを上から着ている。……それでも、元がルイズの服から作ったものであるから、小さいが。
顔には薄く化粧を塗り、髪型は緩くウェーブをかけている。
結果、最初の夜の女タイプから、ちょっとエッチな近所のお姉さんタイプに変化していた。
「……至難だな」
「どうしますか」
士郎を見上げるアンリエッタ。アンリエッタの肩を掴み、物陰に引き戻した士郎は、壁に背をつけ考え込む。
アンリエッタを抱えて屋根の上を飛ぶか?
いや、昼間では目立ちすぎるし、建物の高さもそんなに高くない。直ぐに見つかってしまう。
さて、どうするか。
士郎が悩んでいるうちに、衛兵がこちらに向かって歩き出してきた
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