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地団駄踏んでももう遅い
第三章

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「贅肉が落ちてね」
「筋肉がついたの」
「それで食生活にも気をつけて毎日ジムにあるジムで毎日サウナにも入ったら」
「そうなったの」
「一年でね」
「そうなのね」
「うん、じゃあ注文していいかな」
「ええ、それじゃあ」 
 驚きつつも店員としてだ。
 知佳は注文を受けた、そしてだった。
 注文を調理のスタッフ達に伝えた後でだ、知佳は店の奥で地団駄を踏んだそして悔しそうに言った。
「しまったわ」
「えっ、どうしたの?」
「しまったって」
「何かあったの?」
「あのお客さん高校時代の同級生だったんですよ」
 このことを言うのだった。
「ですがその頃はタイプじゃなくて」
「付き合わなかったの」
「そうだったのね」
「ただのお友達で、性格と頭は凄くよかったので」
 その為にというのだ。
「最高のお友達だったんですが」
「外見はなの?」
「ひょっとして」
「物凄く太っていまして」
 それでというのだ。
「そうだったんですが今は」
「タイプなのね」
「そうなのね」
「直球ど真ん中ストライクで」
 その域でというのだ。
「タイプです」
「そうだったのね」
「じゃあ今告白したら?」
「遅くないでしょ」
「高校時代タイプじゃないとか言って付き合わなくて」 
 それでというのだ。
「今更言えないです」
「そういうことね」
「タイプじゃないと言った手前」
「今になってなんて」
「ですから」
 それでというのだ。
「今こうしてです」
「悔しがってるのね」
「そうなのね」
「迂闊でした、やっぱり外見より性格ですね」
 思い知る様にして言ったのだった。
「本当に」
「それはその通りね」
「それならなのね」
「これからは」
「外見よりも性格を見て告白します」
 こう言うのだった、そして以後知佳は実際にそうしていった。そして大学を卒業して就職してからだった。
 外見はタイプではないがとても心根のいい人と知り合って結婚した、そのうえで幸せな一生を過ごしたのだった。


地団駄踏んでももう遅い   完


                  2022・7・24
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