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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第120話:その手は誰かが握っている
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奏を守る様に戦場に降り立った颯人。そしてクリスを守る為に立ち塞がる透の姿に、装者達は胸に希望を抱いた。
「随分と時間が掛かったじゃないか」
「ウィズがなかなか解放してくれなくてな」
「その分、修行の所為かってのは期待して良いのか?」
2人が話している間に、使い魔のレッドガルーダが本部に置いて来た颯人の帽子を持ってやって来る。ガルーダが落とした帽子を奏がキャッチし颯人に手渡し、颯人は帽子をしっかりと被った。
「うんにゃ、生憎俺の修行はまだ途中だよ」
「え!? それじゃあ北上とガルドは?」
「その2人は別。2人は俺よりも先に修行を終えて、今の今まで慣らしてたのさ」
「って言うか、そう言えばガルドの姿が見当たらないけど?」
3人同時に戻って来たのなら、ガルドもこの場に居る筈なのに姿が見えない事に奏が首を傾げる。その時、通信機にあおいの声が響いた。
『ガルドさんはこちらで確認しました! 別地区でアルカノイズを相手に戦闘中です!』
「流石に他所の守りを疎かには出来ないからな。ウィズとガルドは別の場所に回ってもらったよ」
そう言いながら、颯人はキャロルに向けてガンモードのウィザーソードガンを向ける。
「よぉ、キャロルちゃん。1人でのこのこ出てくるとは、随分と自信たっぷりじゃないか?」
「侮るな。貴様ら全員を俺1人で相手にする事など造作もない事。ましてや、不完全な装者と魔法使いを含むお前ら等……」
不完全……それは恐らく修行が終わっていないと言う颯人と、イグナイト・モジュール未搭載の奏の事を言っているのだろう。他の者に比べて、強化が済んでいない2人はキャロルからすれば確かに不完全なのかもしれない。
だがそんな事颯人にとっては知った事ではない。彼は銃口で帽子を押し上げながら、片目を瞑り不敵な笑みを浮かべた。
「ふふ〜ん、そんなちんちくりんなナリで言うじゃないか。って言うか、今日はビースト呼ばなくてもいいのかい?」
「言った筈だ。お前達など俺1人で十分」
「その風体でぬけぬけと吠える」
本人は強気な発言だが、しかしキャロルの見た目はどう見てもエルフナイン同様少女の姿。装者の中で最年少の調達よりも更に幼い見た目をした少女に、そんな事を言われてもハッタリとしか思えない。
それを告げられると、キャロルは彼らを嘲る様な溜め息と共に笑みを浮かべた。
「なるほど……ナリを理由に本気を出せなかったなどと、言い訳される訳にはいかないな。…………ならば刮目せよ!!」
次の瞬間、キャロルの目つきが変わった。子供扱いされてか、それとも侮られてか。兎に角本気を出したらしいキャロルが左手を真横に翳すと、六角形の魔法陣が現れそこから何かが出てきた。
それは一言でいうなら、紫色の
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