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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第120話:その手は誰かが握っている
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の響が、改修の済んだガングニールを身に纏ってやってきたのである。

「立花!?」
「響、大丈夫か?」
「はい! この通り、もうへっちゃらです!」

 響は力強く頷きながら、迷わず翼とクリスの空いた手を握り締めた。呪いの光が響にまで伝わり包み込んでいく。

「ば、馬鹿!? お前まで!?」

「私達は、1人じゃない! 戦えなくなった私を、もう一度戦えるようにしてくれたのは未来なんです! 2人にだって、そういう人が居るじゃないですか!」

 それは奏であり、透である。2人は絶えず、最愛の人物に支えられて戦ってきた。響の言葉でそれを思い出したのだ。

「そう、か……そうだったな」
「あたし達は、1人じゃないんだ!」
「だから、信じましょう! 支えてくれる人を! シンフォギアを! ダインスレイフを!! 奏さん、お願いします!」
「あぁ、分かった!」

 頷いて奏は響の改修されたシンフォギア、そのギアコンバーターへと手を伸ばした。響の両手は翼とクリスと繋いで塞がっている為だ。

「今回だけはアタシが代わりにやってやるよ。イグナイト・モジュール、抜剣!!」

 奏が起動し、響のガングニールのイグナイト・モジュールが起動する。先に起動していた2人と同じように変形したコンバーターが響の胸に突き刺さり、彼女の口からも悲鳴が上がる。

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「ぐあっぅぅぅぅぅぅうぅぅ!?」
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 響だけでなく3人の口から悲鳴が上がるが、しかしそれは先程までの闇に塗りつぶされそうになる苦痛の悲鳴ではない。闇を振り払う、産声となる悲鳴だ。

「もう、情けないところは見せられない!」
「あたし達は、1人じゃないんだ!」
「だからこの衝動に塗り潰されて!」

「「「なるものかぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 響、翼、クリスの気合が一つになったその瞬間、彼女達を覆っていた闇が一瞬弾けたかと思うと、それぞれのギアに溶け込むように入り込んだ。

 そして3人のギアは変化する。3人とも全体的に黒を基調とし、何処か刺々しく攻撃的なギアへと。

 それが意味しているのは即ちイグナイト・モジュールの完全なる起動。

 颯人と対峙しているキャロルは、その光景を見て薄く笑みを浮かべるのだった。
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