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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第120話:その手は誰かが握っている
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お、る……」
翼は奏が、クリスは透が手を握った。2人をそれぞれ愛する者が、2人を信じて手を握ってくれていた。
だがしかし、それは呪いの余波が手を握っている2人にまで及ぶという事。その危険性を誰よりも理解している2人は、掴んでくれたその手を思わず振り払おうとした。
「だ、ダメだ奏!?」
「離れろ透!? このままじゃ、お前まで――!?」
手を振り払おうとするも、奏も透も強く手を握り締めた。それどころか透に至っては、クリスにしっかりと抱き着く始末だった。
「と、透!?」
このままでは透までもが呪いに苛まれてしまうと、ただでさえ青くなっている顔を更に青くするクリス。
そのクリスの心に、透の心の声が響いた。
《1人じゃない。クリスには僕が居るよ。何処へも行かない。だから、心配しないで》
「あ――――」
呪いの闇に包まれた視界の中で、しかし透の声は何よりも鮮明にクリスの心に響いた。
翼もだ。体の内側を掻き回される様な苦痛を感じていながらも、奏の手から伝わる温もりは確かな安らぎを翼に与えていた。
「アタシ達は、2人合わせてのツヴァイウィング! 2人揃えば、何処までだって飛んでいける! そうだろ!」
言葉とは裏腹に、奏の顔には脂汗が浮かんでいる。翼を通して伝わってくる苦痛は、奏を通し更に颯人にまで伝わっているのだ。
――すまない颯人! 少しの間だけ持ち堪えてくれ!!――
颯人の事を考えてイグナイト・モジュールの搭載を見送ったと言うのに、結局その負担に彼を巻き込んでいる事に罪悪感と焦りを感じずにはいられない奏。だがしかし、彼女にとって颯人に並ぶほど翼も大事な存在なのだ。どちらか一方を選んでもう片方を切り捨てるなど出来ないししたくない。
「くっ!? く、そ…………!?」
奏の懸念を表すように、颯人の動きが先程に比べ鈍っていた。その隙を逃す物かと、キャロルは苛烈な攻撃を颯人に放つ。
「死ね!」
「誰がッ!!」
放たれた砲撃を紙一重で回避するが、余波まではどうする事も出来ず吹き飛ばされる。吹き飛ばされながらも空中で何とか体勢を立て直した颯人は、何とか着地しながら奏達の方を見た。
「はぁ、はぁ……頼むぜ、奏。あんまりこっちも長持ちしそうにねぇ……」
予想以上の負担に、思わず膝をつきそうになりながらもキャロルと対峙する颯人。
その間にも奏達の方は着実に状況が動いていた。
「奏……すまない。情けないところを見せてしまって……」
「透……ごめんな。結局、お前が居ないとあたし何にも出来ないみたいだ……」
「そんな事ありません!」
己の不甲斐無さを悔やむ翼とクリスに、新たな声が掛けられた。
ミカに敗北し負傷していた筈
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