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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第120話:その手は誰かが握っている
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ハープとでも言えばいいだろうか。
明らかに何かをするつもりのキャロルに、颯人もウィザードリングを左手に嵌めて身構える。
颯人達が見ている前で、キャロルがハープをかき鳴らした。
その瞬間、本部ではある事象が確認され一時騒然となる。
「アウフヴァッヘン!?」
本部で観測されたのは彼らにとって見慣れたアウフヴァッヘン波形。だがそれは直後にあおいによって否定された。
「いえ、違います! ですが、非常に近いエネルギーパターンです!」
「まさか、聖遺物起動!?」
「ダウルダブラのファウストローブ……」
本部に居る誰もが驚く中、エルフナインが静かに呟く。
一方、現場でも驚くべきことが起こっていた。
キャロルがハープを鳴らした直後、ハープが展開し無数の弦が放たれるとキャロルの体に巻き付いて鎧を形成。さらにそれに合わせてキャロルの体が急成長していき、先程までの姿から見違えるようなメリハリのある大人の女性の姿へと変化していったのだ。
「これくらいあれば不足は無かろう?」
鎧を纏い、更には急成長し誰もが振り向くような魅力的な姿へと変化した己の姿を自慢する様に晒すキャロル。
肉体年齢すら操ってしまう錬金術を前に驚く翼達だったが、大して颯人と奏は不敵な表情を崩さなかった。
「ハン! その程度、まだまだアタシの方が勝ってるね!」
「そう言う背伸びするところがお子ちゃまだってんだよ」
「先輩、何変な対抗意識燃やしてんだよ!?」
ある意味場違いな奏の主張にクリスが物申すが、颯人は気にせずウィザードに変身した。
「変身!」
〈フレイム、プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!〉
ウィザードに颯人が変身すると、透も遅れてメイジへと変身する。
2人が戦闘態勢を整えると、5人はキャロルを半円に囲むように動く。目の前に立ち塞がる装者と魔法使いを、キャロルはジロリと見渡した。
「…………フン!」
突然キャロルが手を振るうと、指先から伸びた極細の糸がコンクリートを切り裂きながら彼らに迫る。颯人達はそれを上に飛ぶことで回避し、糸による薙ぎ払いを回避したが目に見え辛い攻撃の為若干反応が遅れる。
それを見逃すことなく、キャロルは徐に背後を振り向くと透の着地の瞬間を狙って糸による斬撃を放った。極細の糸が、太陽光に照らされ一瞬キラリと光る。
「!」
透は糸を視界に捉えた瞬間、回避と防御どちらを選ぶべきかで判断を迫られた。コンクリートを細切れにするほどの威力の糸だが、受け止められるかと言われれば出来る自信はある。だが物が糸である以上、下手に受け止めればそこから巻き付いてきて拘束される危険を伴っていた。
その判断を素早く下した透は、僅かに見える糸の隙間を通り抜
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