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夢幻水滸伝
第二百四十八話 石と共にその六

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「有り難いことに」
「それは何よりですね」
「それで今考えていることは」
 王は受付の女にさらに話した。
「傭兵団をです」
「立ち上げられますか」
「そうも考えています」
「それではです」  
 受付の女は王の話を聞いて頷いて応えた。
「これからはです」
「これからはといいますと」
「傭兵団の登録もありますし」
 それでというのだ。
「市役所に行かれては」
「あちらにですか」
「そうされては」
「そうですね、実はです」
 王は受付の女に応えて話した。
「僕はまだ市役所にです」
「行ったことがないですか」
「そうですが」
「ではいい機会ですから」
 それでというのだ。
「ここはです」
「市役所にですね」
「行かれて」
 そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「あちらとですね」
「縁を持たれては」
「わかりました」
 王は受付の女の言葉に笑顔で頷いた。
「ほなその為にもです」
「市役所に行かれますね」
「そうしてきます」 
 こう言ってだった。
 王は市役所に行って傭兵団の創設を申請しようとした、だが彼の顔を見た市役所のフランケンの中年の女の役人は彼を見て仰天して言った。
「一体何用ですか!?」
「傭兵団の創設のお願いに来ました」
「あの、傭兵団なんてとんでもない」
 役人は仰天したまま彼に返した。
「是非市長さんにお会いして下さい」
「えっ、市長さんにですか」
「はい、市長さんは貴方のことを聞いてです」 
 そうしてというのだ。
「以前からお会いしたいと思っていましたが」
「それでもですか」
「今現在市役所は多忙で」
 それでというのだ。
「申し訳ないですが貴方のところまでお伺い出来なかったのです」
「そうでしたか」
「人手不足で。この前多くの人が定年となりまして」
「そうした事情がおありですか」
「それで今定年退職した人の分を採用していますが」
「採用したてで」
「まだ研修中で」
 そうした状況でというのだ。
「職場にいないので」
「人手不足ですか」
「はい、それで貴方のところにお伺いも出来ませんでしたが」
 多忙なあまりというのだ。
「市の行政を動かすだけでも手が一杯で。申し訳ありません」
「それは別に。しかし市長さんがですか」
「貴方が来られるのでしたら」
「ではお会いします」
「宜しくお願いします」
 こうしたやり取りを経てだった。
 王は市長と会った、市長は狼人の初老の男で。
 自身の執務室で彼に明らかに疲労が蓄積している顔で言ってきた。
「私から出向くべきでしたが」
「いえ、ご多忙でしたら」
 王はその市長にも話した。
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