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我が剣は愛する者の為に
救った代償
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ないですが。」

そう言って袋を渡される。
中を確認するとお金が入っている。

「こんなの受け取れませんよ。
 街を復興するのに必要になる筈です。」

中にお金が入っていると分かると、一刀は袋を鐙黄に返す。
袋を渡されても、鐙黄は受け取らない。

「それくらいの資金でしたら、復興資金に影響はありません。
 これは街の皆の感謝の思いです。
 ですから受け取ってください。」

返答に困った一刀は俺に視線を向ける。
どうすればいい?、と言った感じで目で聞いてきた。

「お前が決めろ。」

「うっ・・・・・わ、分かりました。」

そう言って、一刀は袋を鞄に入れる。

「鴈龍はどうするつもりですか?」

その後が気になった月火は質問する。

「然るべき罰を与えるつもりです。
 彼が県令を暗殺を企て、悪政をしていたのは事実なのです。」

「この街の県令は誰が着任するのですか?」

今度は豪鬼が質問を投げかける。
それを聞いて少し照れながら、鐙黄は答えた。

「えっと、皆の推薦で私が県令を務める事になりそうです。
 朝廷には既に話をしに行ったと。
 全く気の早い事です。」

「でも、俺は適任だと思うぞ。」

俺の言葉に皆は賛成してくれる。
それを見てさらに照れたのか、顔を赤くする。
街から鐙黄を呼ぶ声が聞こえた。

「それでは皆さん、本当にお世話になりました。
 旅の御武運を祈っています。
 では、失礼します。」

深々と頭を下げて、街の中に戻っていった。
彼が州牧になったのなら、この街はきっと前以上の街になる筈だ。
俺達も旅を再開した。
あの街から、二日かけて次の街に辿り着いた。
思わぬ収入を手に入れたが、俺達はあの街に食料の補充をしに来たのに、結局できなかった。
なので、道中はかなり節約しないといけなくなった。
厳しい食生活だったが、何とか食料が尽きる前に街に着く事ができた。
そのまま今日は一泊して、明日出発する事になった。

「腹も減ったし、何か食べに行くか。」

「なら、私はメンマを所望します。
 旅の最中にメンマが無くなった時は、地獄をみましたぞ。」

「私はがっつりと肉が食いたいわ。
 こう、かぶりつきたくなるような、そんな肉をね。」

「美奈は何を食べたい?」

「う〜んと、ラーメン!!」

「よし、今日の食事はラーメンに決定だ。
 異論は認めない。」

「メンマ!!」

「肉!!」

「ラーメン!!」

よほど腹が減っているのだろうか、それぞれ食べたい物を妥協しない。
若干一名は腹とは別事情だが。
俺と一刀は苦笑いを浮かべる。

「どうする?」

「まぁ、街を歩きながら考えれば良いだろ。
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