救った代償
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ないですが。」
そう言って袋を渡される。
中を確認するとお金が入っている。
「こんなの受け取れませんよ。
街を復興するのに必要になる筈です。」
中にお金が入っていると分かると、一刀は袋を鐙黄に返す。
袋を渡されても、鐙黄は受け取らない。
「それくらいの資金でしたら、復興資金に影響はありません。
これは街の皆の感謝の思いです。
ですから受け取ってください。」
返答に困った一刀は俺に視線を向ける。
どうすればいい?、と言った感じで目で聞いてきた。
「お前が決めろ。」
「うっ・・・・・わ、分かりました。」
そう言って、一刀は袋を鞄に入れる。
「鴈龍はどうするつもりですか?」
その後が気になった月火は質問する。
「然るべき罰を与えるつもりです。
彼が県令を暗殺を企て、悪政をしていたのは事実なのです。」
「この街の県令は誰が着任するのですか?」
今度は豪鬼が質問を投げかける。
それを聞いて少し照れながら、鐙黄は答えた。
「えっと、皆の推薦で私が県令を務める事になりそうです。
朝廷には既に話をしに行ったと。
全く気の早い事です。」
「でも、俺は適任だと思うぞ。」
俺の言葉に皆は賛成してくれる。
それを見てさらに照れたのか、顔を赤くする。
街から鐙黄を呼ぶ声が聞こえた。
「それでは皆さん、本当にお世話になりました。
旅の御武運を祈っています。
では、失礼します。」
深々と頭を下げて、街の中に戻っていった。
彼が州牧になったのなら、この街はきっと前以上の街になる筈だ。
俺達も旅を再開した。
あの街から、二日かけて次の街に辿り着いた。
思わぬ収入を手に入れたが、俺達はあの街に食料の補充をしに来たのに、結局できなかった。
なので、道中はかなり節約しないといけなくなった。
厳しい食生活だったが、何とか食料が尽きる前に街に着く事ができた。
そのまま今日は一泊して、明日出発する事になった。
「腹も減ったし、何か食べに行くか。」
「なら、私はメンマを所望します。
旅の最中にメンマが無くなった時は、地獄をみましたぞ。」
「私はがっつりと肉が食いたいわ。
こう、かぶりつきたくなるような、そんな肉をね。」
「美奈は何を食べたい?」
「う〜んと、ラーメン!!」
「よし、今日の食事はラーメンに決定だ。
異論は認めない。」
「メンマ!!」
「肉!!」
「ラーメン!!」
よほど腹が減っているのだろうか、それぞれ食べたい物を妥協しない。
若干一名は腹とは別事情だが。
俺と一刀は苦笑いを浮かべる。
「どうする?」
「まぁ、街を歩きながら考えれば良いだろ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ