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我が剣は愛する者の為に
救った代償
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後れを取らないだろう。
 だが、所詮は賊に勝る程度の実力。
 太刀筋も速度も、もう見慣れた。」

その時、後ろの扉が開かれる音が聞こえた。
鴈龍は自分の兵士がやってきたのだと、思って視線を向ける。
しかし、確認した瞬間一気に青ざめた。
俺の位置だと扉は後ろなので、確認する事はできないが鴈龍の顔を見た限り何があったのか分かる。
星達が鴈龍直属の兵士を全部倒したのだろう。

「ば、馬鹿な。
 たかが従者程度の存在が、私の兵士を全滅させれる訳がない!」

「現実を受け止めろ。」

「ありえない・・・ありえないありえないありえない!!!」

駄々をこねる子供のように首を振りながら、必死に剣を引き戻そうとする。
両手を強化しているので生半可な力では、引き戻せない。
だが、俺は敢えて剣から手を離す。
今まで力を込めていたのに、いきなり手を離されてバランスを崩し尻餅をつく。
刀を鞘にしまって、抜刀術を構えをとる。

「来いよ。」

今度は俺が挑発する。

「図に乗るな小僧ぉぉぉ!!!」

顔を真っ赤にして、鴈龍は立ち上がり真っ直ぐに剣を振り下ろしてくる。
それに合わせて鞘から一気に抜刀する。
キィン!、という甲高い音が鳴り響く。
鴈龍の剣が真っ二つに折れた音だ。
信じられないような顔をして、折れた剣を見つめる。
剣から俺に視線を移すと、ゆっくりと後ずさりしていく。

「ま、待て。
 金ならいくらでも払う。
 だから・・・」

その言葉を聞く前に、俺は接近して刀で斬りつけた。
刃ではなく峰で。
骨が折れる手応えを感じて、鴈龍は気絶した。

「お見事でした。」

戦いが終わって星が言う。

「そっちもご苦労だった。」

「あの兵士達は全然訓練してなかったみたいよ。
 私達に倒される時に、それを言い訳にしてたわ。」

「もう少し苦戦するかと思いましたが、全員怪我がなくてよかったです。」

「その通りだ。
 それじゃあ、戻って鐙黄に報告するか。」

気絶している鴈龍を背負って、俺達は街に戻った。





「本当にお世話になりました。」

街の出入り口で鐙黄は深く頭を下げる。

「今回、俺は何もしてないけど。」

「それでも、御使い様がきっかけで私達は救われました。」

鴈龍を倒したと報告しに行くと、街の人は大いに喜んだ。
鐙黄に関しては耳にタコができるくらい、お礼を言われた。
鐙黄は早速、街の人に指示して街の復興する為の指示を出した。
この街を前の街のように戻すつもりらしい。
俺達も手伝おうとしたが、街の復興させるのは自分達の役目だ、と言い張った。
そこまで言うのだから、俺達は彼らに任せようという事になった。

「これは少
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