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我が剣は愛する者の為に
救った代償
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俺の決断を聞いた鐙黄は慌てて俺達を引き留める。

「話を聞いた限り、鴈龍は頭が良い。
 あんたが俺達に鴈龍討伐の依頼をする事も、分かっている筈だ。
 倒した兵士も今頃は他の兵士に回収されている筈だ。
 迎撃の準備をされる前に叩いた方が良い。」

話を聞いて納得したのか、俺達を引き留めようとしなかった。

「一刀、お前はここで待機だ。
 美奈をしっかり守れよ。」

「ああ、縁達こそ気をつけてな。」

「鴈龍はおそらく玉座にいる筈です。
 御武運を。」

それぞれの武器を持ち、鴈龍がいるであろう城に俺達は向かう。





縁達が向かうであろう城の中。
玉座の間で一人の男が玉座に座っていた。
名は鴈龍。
黒髪で髪は短く、黒の服をきたこの街を治める州牧だ。
彼が何故、玉座にいるのかというと別に意味はない。
ただ彼は王という肩書きが好きで、その次に玉座が好きなのだ。
なので、彼は自室より玉座にいる時間の方が長いという変わり者だ。
実際には彼は王ではなく県令なのだが、この街を治めている住民からすれば王と言われても不思議ではない。
そんな中、慌てて玉座に兵士が入ってくる。

「が、鴈龍様!」

「狼狽えるな。
 何があった?」

「見回りの兵士が、我らの部隊の瀕死の兵士を、二人連れて戻って参りました!」

「ほう・・・・ようやく動き出したか。」

顎の髭を触りながら、男は嬉しそうに答える。
何故嬉しそうにしているのかは、この兵士は分からなかったがそれでも報告を続ける。

「街に潜入している兵からの情報は?」

「鐙黄が訪れた旅人に鴈龍様の討伐を依頼した模様。
 おそらく、二人の兵士を瀕死に追い込んだのも彼らかと。
 何でも、天の御使いと呼ばれているようです。」

「最近、国中に噂が広がっているあの天の御使いか。」

鴈龍は行商人との売買の時に、天の御使いについての噂を聞いた。
その内容とは、天からの使いの者が従者を従えて、人助けをしているという。
しかも、その従者がかなりの使い手だとか。

「奴らが此処に来るか。
 ・・・・・・・・伝達を頼む。」

少し考えてから鴈龍は言う。

「私の部隊以外の兵士は自室待機するように伝えろ。」

「えっ・・・・それですと城の警備が甘くなりますが。」

「構わん。
 前の県令に仕えていた兵士や文官は私に不満を抱いている。
 今回の騒動をきっかけにして、反旗を翻す可能性もある。
 そうなると非常に厄介だ。
 御使いは私を狙っている。
 なら、玉座前を固めればいい。
 相手は勝手にこちらに向かって来てくれるのだからな。」

「わ、分かりました。
 そのように伝えます。」

兵士は一礼をして
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