フェアリー・ダンス編
新世界編
パートナー
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「……ふーん、なるほど。世界樹攻略を小数精鋭でやってしまおうって訳かい」
「だけじゃないよ。信じられないかも知れないけど、SAOプレイヤーの話も嘘ではないと思う」
「そりゃ、そこのインプさんを見りゃ何となく分かるけどさ。……あたし的にはそんな一般人が知る由もないことを知ってるリアルの正体が気になるね」
「そこは気にしないでくれると助かるな。俺も君も命が危ない」
「……痛い子オチは?」
「なんなら君のお家に明日お邪魔しようかな」
「……オッケー。信用するから止めてくれ」
本気でやればできないこともないが、そんな簡単なことではない。
「じゃあ、付いてきてくれるの?」
「他ならぬセイン君の頼みだからなぁ、いいよ。ただし……」
アルセはビシッ、と音がしそうな勢いで指差す。俺を。
「レイ君、あたしと勝負しな。勝ったら、あたしがあの小娘《ヴィレッタ》を力ずくで連れてくるという特典をつけてあげる。負けたら……ウサミミでも付けてもらおうか。セイン共々」
……ヒースクリフの交換条件がいかに易しいものだったかを悟った瞬間だった。
「何で僕まで!?」
「パートナーだろ」
「はあ……」
にやりと獰猛な笑みを浮かべたアルセは酒場を出ると、広場に出ていく。よっぽど自信があるのか、目立ちたがり屋か……前者だな。
「レイ、絶体勝ってね!?」
「当たり前だろ」
にやっと笑うと俺も彼女に続く。広場まで来ると、彼女がふれて回ったのか、プレイヤー達で大きな円が出来ていた。
「あたしは拳でやる。あんたは別に剣使ってもいいよ。あ、そうだ決着は半分でいいよな。戻んの面倒くさいだろ」
「ああ、いいぜ。剣は……いいや」
ムラサメをセインに預けると無手で円の中に入る。
「へ〜え?いいよ。あんた面白い」
ザッ、とアルセは構えをとった。見覚えがないことから、恐らく我流だろう。対する俺は無形の構え、隙が有りそうで実はない。全てを水の流れのように受け流す構えだ。
にぃ、と笑ったアルセが飛び出してくる。突き出された右拳を左手で受け、そのまま右斜め後ろに受け流す―――と、突然アルセが消えた。反射的に横へステップすると、空から強烈な踵落としが降ってきた。
「君、本当に人類?」
「あんたもどんな反射神経してんのよ」
互いに人外指定をし合ったふたりは一度距離を取り、再び激突した。
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