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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第6章 英雄感謝祭編
第22話 フィニス
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の犯した行動で、パニックになっているのだろう。見た感じ傷は見当たらない。
「ヒスイ王女!時間がありません!今すぐ門を閉じなければ、街に竜が溢れてしまう!今閉めれば、数体で収まります!」
アレンの言葉を聞き、先に正気を取り戻した国王とダートンが同じようにヒスイに声を掛ける。だが、それでもヒスイの目に光は戻らない。
「っ!ヒスイ王女!!」
アレンは、本来王族に向けるべきではない怒号を、ヒスイに浴びせた。その声でようやくヒスイの目が生気を取り戻す。
「っ…!も、申し訳ありません!!アレン様、お力添えを!」
ヒスイはすぐさま立ち上がり、アレンと共に魔力を注いで扉を閉める。閉めるために有した時間はたかが数秒であったが、いつバルファルクが本来の姿に戻り、襲ってくるかわからない状況下では、異様に長く感じられた。そんな折、血の池地獄のような床から、一人の男が這い上がってくる。
「アルカディオス!!無事か!!」
「ぐっ!何とか…」
その姿をみた国王が、大声をあげる。と、同時に扉が轟音を立てて閉まる。
「っ!アレン様!!」
「ヒスイ王女!これでこれ以上の竜の召喚は成しえないでしょう。ですが、すでに何体か竜がクロッカスに出現しているはずです」
「っ!!」
ヒスイの呼称に、早口で答える。ヒスイは、両手で口を覆い、再び大粒の涙を流す。そんな様子をみた国王がヒスイに寄り添う。
アレンは一つの魔法の発動を試みる。それは、指定した範囲における特定物の居場所を見つけ出す魔法であった。
「南の心臓、北の瞳、西の指先、東の踵、風持ちて集い、雨払いて散れ!縛道の五十八、掴趾追雀!!」
詠唱を終えると、アレンが手をかざした空間に、黒い淵を持った円、それでいて白き光を放つものが浮かび上がってくる。そして、その光には、いくつもの漢数字が流れては消えていく。ヒスイ達は、初めて見る魔法に、驚きを見せながらも、固唾をのんで見守る。
「っくそ!バルファルク含め、竜種が11体も!!」
アレンのその言葉に、ヒスイ達の顔に驚愕の表情が浮かぶ。そうだ、それは自分たちが呼んだものなのだ。ヒスイは父に宥められ、取り戻しかけていた正気を、また失いかける。
「っも、申し訳ありません…私が…私が…」
「ひ、姫様!竜を呼んだのはあのバルファルクという男です!姫様は何も悪くありません!」
ヒスイを宥めるようにして、ダートンが声を張る。だが、それでも、扉を開いたのは自分自身であることが分かっていたヒスイは、床に手をついて深く頭を垂れていた。
「ダートンさんの言う通りです!ヒスイ王女が気に病むことはありません!」
「っで、ですが…私は…」
「それに、今この街には、多くの魔導士がいる!必ず討伐できます!」
アレンは力強くそう言い、先ほど得た情報含め、首都にいる全てのものに伝えようと、また魔
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