第6章 英雄感謝祭編
第22話 フィニス
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、1万の竜が首都クロッカスへと舞い降り、更には三天黒龍復活の礎となる!!フィニスとは、世界の破滅を防ぐ行為じゃない…世界を破滅に導く行為だ!!…わかるかな?」
「あ、あぁ…」
ヒスイは驚きと絶望で言葉がでない。
「つまり、たった今、お前が世界を破滅へと導いたということだ!!」
「き、きさまー!!皆の衆!この不届き物を斬り捨てよ!!」
国王が大声で指示を出すと、アルカディオス含め、控えていたすべての衛兵がバルファルクへと斬りかかる。だが、バルファルクはそんな衛兵を見向きもせずに、全身から無数の赤いオーラを纏った気弾のようなもので、衛兵を一斉に蹴散らす。
「「「「「「「「「「がっ!ああああああ!!!」」」」」」」」」」
赤い気弾を受けたものは、皆総じて床に倒れこみ、苦しそうに呻き声を上げている。大量の血が床を染め上げる。加えて、床と壁にいくつもの亀裂と穴をあける。荘厳な玉座の間は、一気に地獄のような空間へと変貌を遂げた。
「な、なんだと…たったの一撃で…」
「ば、ばかな…」
「ひっ…」
国王、ダートン、ヒスイは、呻きに似た声を漏らす。
「そして、もうひとつ、この扉を閉めるには、同じく王の血を引きしものと、竜を斃せしものの魔力…つまり、魔力を有する王女、そしてアレンの魔力がなければ閉じられん…つまり…」
バルファルクは、王女に掌を向ける。その掌には、先ほどと同じ赤い気弾が生成されていく。
「…っ!ま、まってくれ!わしはどうなっても構わん!娘だけはヒスイだけは!!」
「ひっ…あ、あぁ…」
国王は娘のヒスイを守ろうと、前に出て懇願する。ヒスイは腰が抜け、床にペタッと座り込む。
「お前を殺せば、門は一生閉じないということだ!!」
無慈悲にも、真っ赤な気弾が国王とヒスイに向かって飛んでいく。
国王もヒスイも、涙を流しながら目を瞑った。
…だが、その赤い気弾の衝撃は、暫く経っても二人を襲うことはなかった。
「っくそ!間に合ったが、間に合わなかったか!!」
その声と共に、ガキンッという音が鳴り響く。
2人はゆっくりと目を開ける。そこには、数時間前に見た、英雄の背中が見えた。
「ア…アレン…殿…」
「…アレン…様…」
「っ!」
国王とヒスイ、ダートンは、涙が残る目を見開いて、双剣を両手に携えた男の、その背中を眺めた。
一体、目の前の男は、何を言っているのだ。この扉を開けば世界は救われるのではないのか?私の淡い希望は、目の前の男の無慈悲な言葉により、粉々に砕け散った。
私は、とんでもないことをしてしまった。世界を救うためにと開いた扉が、世界を破滅へと導く扉だったのだ。1万の竜…三天黒龍…あぁ…私は何ということを…。
バルファルクの言葉で、アルカディオス含め、衛兵の全てが、真っ赤な血に染め上げられる。私はあまりにも悲惨
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