第5章 修行編
第18話 修行
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…」
アレンは、今にも噛みつきそうな獣のように、グルルッと舌を巻き、息を吐きながら低く唸った。
その一言を聞き、皆に驚きが生まれる。
「お、おい!ギルドをやめるって!正気か!!」
「っ!それはダメね、マスター!やっぱりあなたしかいないみたい」
ナツとウルティアが焦ったように声を張り上げる。
「む、むぅ…確かに、それならわしが5代目をやるしかないか…」
「そうゆうことだ。頼むぜ、5代目!」
マカロフの言葉に、アレンは屈託のない笑顔で答える。その様子をみて、皆がホッと胸を撫でおろした。
『俺は暫く旅に出る。気が向いたら帰るつもりだ。それまで、皆元気でな』
それをもって、ギルダーツの手紙は締めを迎えた。マカロフは手紙を読み終えた後も、何かぶつぶつと言っていたが、皆がそれを苦笑いしながら見ていた。
「アレン、カナ。はいこれ」
ミラが、それぞれに便箋を手渡した。
「ん?」
「なんだ?」
ミラはそれぞれ、ギルダーツから預かっており、アレンとカナに渡したのだ。
カナが便箋を開くと、中にはギルダーツの顔が描かれたカードと、手紙が入っていた。内容は、また勝手をしてすまない、会いたくなった時や助けが欲しいときはいつでもそのカードに念じてくれ。すぐに会いに行く。というものだった。だが、カナはそのカードを思いっきり破いてしまう。
「いらねーよ!」
「カナ!」
エルザが咄嗟に声を掛ける。
「今まで通りでいいって言ったろ、くそおやじ…」
カナはどこか呆れてた様子で呟いた。アレンはそんな様子をみて、ふっと軽く笑って見せ、「感慨深いじゃねーか…」と思いながら、手に持つ便箋を開けた。きっと、俺の便箋の中にも感動的な手紙が入っているに違いない…。そう、皆のことをよろしく頼むとか、俺の代わりにフェアリーテイルを任せたぞ、とか…。
「(そんなもん、言われなくてもわかってるよ)」
などと心の中で呟きながら、二つ折りにされた手紙を開いて読んだ。そして、固まった。少しして、震えが起こる。そんな様子のアレンを見て、エルザとミラが声を掛けつつ、手紙を横から覗き見る。
「どうしたんだ、アレン…ふふっ!」
「大丈夫?…ぷっ!」
エルザとミラが噴出したように笑ったので、カナ含め、周りの皆もその手紙の内容を見ようと集まってきた。そして、カナ以外が同じように吹き出す。手紙の内容は、真っ赤な文字でこう書かれていた。
『カナを悲しませたら殺す』
まるで、怪奇文のように書かれたそれは、皆の表情に笑いを生むのに、十分な内容と文体であった。
「「ギルダーツーー!!!!!」」
アレンは怒りで、カナは怒りと恥ずかしさで、天を突かんばかりの大声を上げたのは言うまでもない。
ギルダーツの手紙の騒動がひと段落ついたころ、フェアリーテイルのギルドメンバーはまた同じように酒場
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