暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆レッドギルド
第二十七話 マルバとシリカの覚悟
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残るために人を殺す覚悟を決めたってことか……?」
「いや、さすがにそんな覚悟はないよ。それじゃレッドプレイヤーと同じになっちゃうじゃん」
「そうですね。わたしは自分が生きるために人の命を犠牲にしたりはできないです。自分が生きるため、じゃなくて、大切な人を守るため、です」

ミズキはようやく二人の言うことを理解したようだ。ため息と共に言葉を吐き出した。
「……お前ら、強ぇな。俺はそんな覚悟を持てそうにない。自分が生きるだけで精一杯だっていうのに、誰かのために罪を負う覚悟なんて持てねぇよ」
「全ては、守りたいって気持ちから生まれたものです。マルバさんが死ぬことを防げるのなら、わたしはなんだってやります。自分の命だって惜しくないです」
「……シリカ、それ僕の台詞だよ……。それに君が僕を守って死んじゃったら僕はどうやって生きてけっていうのさ。君がいなきゃ僕だけ生き残ったってしょうがないじゃん」
「はっ、それ考えてなかったです! そうですね、もしマルバさんがわたしをかばって死んじゃったら……うーん、わたしが生きてる意味ってないかも……」
「うわ、一蓮托生ってこと? これじゃ絶対死ねないね……」

そんな事を話すマルバとシリカを、ミズキは苦笑いで見た。
「お前ら、いつの間にそんな関係になったんだよ」
「昨日、かな?」
「じゃあ、昨日死んだ奴らは知らないうちにキューピッドの役目をしたっつーわけか。なんつうか、気の毒な奴らだな」

ははは、と大きく笑うと、ミズキは赤くなった二人をさておいて食卓についた。
「さ、食べちまおうぜ。早くしないと冷めちまう」
「そ、そうだね……」
「は、はい……あ、そういえばアイリアさんはどうしたんでしょう?」
「そういえば……」

マルバはその場で《索敵》を行なってみた。階段のすぐ上にいるアイリアと思わしきプレイヤーが自分の部屋に駆け戻っていくのがわかり、首を傾げる。
「……階段の踊り場あたりにいたんだと思うけど、すぐに部屋に戻っちゃった。どうしたんだろ?」
「さあ、腹でも痛いんじゃねぇか?」
「ミズキって時々適当なこと言うよね。ここで腹痛はありえないでしょ」

考えても分からないものは分からない。とりあえず三人でご飯を食べて、アイリアには後でミズキが朝食を持っていくことになった。
朝食後、簡単に今日の計画を決める。結局昨日の戦闘の疲労を取るために、今日は休みということに決まった。明々後日にボス攻略会議があるため、それまで自由行動ということにする。各自で装備の強化素材を狩りに下層に遠征したりたまにはのんびりしたり、小さな休暇のようなものだ。
マルバとシリカは二人でかつての思い出の街、『フローリア』に出かけることにした。今までも二人で出かけることはよくあったが、『そういうお出かけ』は今回が初
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