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少女は 見えない糸だけをたよりに
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 お父さんが、もう一度、巧に会って、ゆっくりと話したいと言っていたので、巧を家に招くことにしていた。

 朝から、私はお母さんと、お料理を作って用意していた。そのうちにお姉ちゃんも加わって・・。

 お昼前に巧は来ることになっていたから、私とお姉ちゃんはワンピースに着替えて、念入りにお化粧もしてもらっていた。お母さんも普段より良い着物に着替えていた。

「巧 いらっしゃい」私は、門扉の前で待っていて、巧の姿が見えると手を振って、迎えた。

「表で待っていてくれたのか あのさー お土産 何がいいのかわからないから これっ 地元のマグロの燻製」

「そんな 気にしなくていいのにー」

 そして、座敷に案内して、お父さんの直ぐ角隣りに巧、その横に私が座った。向かいには、お母さんとお姉ちゃん。

「うん 忙しいだろうに今日はすまんのー 来てくれて」

「いいえ 僕も 改めて ご挨拶って思っていましたから」

「そうか 今日は ゆっくり 君と飲みながら 気楽に話をしたかったんじゃ」

「ですね でも、最初に 僕は香波と 来春 式をあげるつもりなんです 今日は そのお許しをお願いにあがりました」

「そうか 覚悟はしとったがー 来年かー 香波が幸せになるんだったら ワシは何の文句もないわい いや めでたいことじゃぁないか じゃぁ その祝いも兼ねて飲もう 巧君は結構 飲めるみたいだしな」 

 その後、巧の仕事の内容を話させていて、お父さんが

「君は 香波のどういったところに魅かれたんじゃ?」

「はぁー 最初 男の子かと思っていたんですけどねー、そっけないんだけど、人への気遣いが細かくて、優しいんです。それに、日焼けした脚で島の岩場を飛ぶようにしている姿を見てるとバンビみたいで、無性に可愛く思えてきて、話をするうちに魅かれてしまったのかなー おばぁちゃん思いで、純真な良い子だったし」

 その時、お台所から戻ってきた私の顔を見ながら

「そうかー ワシもな こんな純真な娘がいるのか と 直ぐに 魅かれてしまった それに、ワシのことでも、よく尽くしてくれる」

「お父さん 私 感謝してるんですから これ 巧が持ってきたの」と、マグロの燻製のお皿を並べていった。

「ウン うまいな これは あのなー 巧君は気分良くないかもしれんがのー この前 この娘を籍に入れるんで、ご両親に許してもらうんでなー 島に行った時な 酔っぱらったワシと添い寝してくれたんじゃ 聡が居るのにじゃぞー 年寄だからって嫌うのが普通だろー でも、この娘はやさしいんじゃー 可愛くてしかたがない」

「うーんもうー お父さん 飲みすぎー」

「そーですよ お父様 少し、控えてくださいな この前も島で巌さんと、ぐでぐでになってしま
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