第二百五十五話 ヴェネツィアでの再会その四
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「ふんだんに使えるからね」
「肉料理も美味いか」
「そうだよ、安心してね」
「それではな」
「民も普通に使ってるよ」
留奈も言ってきた。
「胡椒それにお塩もね」
「どちらもかよ」
「そうよ」
留奈は桜子に笑って答えた。
「私達だけじゃないよ」
「帝国の中枢や貴族だけじゃないんだね」
「さもないとね」
ごく一部が使える様な状況を否定して言うのだった。
「やっぱりよくないね」
「それはね」
桜子もその通りだと答えた。
「ごく一部の人間だけが美味しいものを独占するなんて」
「よくないね」
「何でもね」
それはというのだ。
「だからだね」
「私達もそこは考えて」
「胡椒を多く栽培させてるんだね」
「そうしてるよ、金一粒でないけれど」
留奈は自分達が起きている世界でかつて言われていた言葉を出した、欧州では長い間胡椒はそう言われるまでに高価であったのだ。
「どうも私達の浮島でもね」
「最初は胡椒は高かったの」
「それなりにね」
そうだったというのだ。
「他にもそうしたものがあったけれど」
「沢山栽培させて作ってだね」
「安くさせていったよ」
「成程ね」
「それが出来る限りのことをね」
「それで胡椒は出来たから」
「今ではね」
まさにというのだ。
「誰もが使ってね」
「楽しんでるんだね」
「そうよ、本当に胡椒があったら」
この香辛料がというのだ。
「お肉は美味しくなるわね」
「東の浮島じゃ胡椒はそんなに使わないけれどね」
桜子は自分達の浮島のことを話した。
「肉でもね」
「そっちは違うのを使うわね」
「お醤油にな」
まずこの調味料の名前を出した。
「香辛料じゃないけれどね」
「お醤油がまずあるからね、そっちは」
「それにお味噌もな」
これもというのだ。
「あってね、香辛料は」
「胡椒は然程使わなくても」
「山葵に生姜、唐辛子があるから」
そういったものがというのだ。
「胡椒がなくてもね」
「大丈夫なのね」
「そうなんだよ、そこは料理の仕方の違いだね」
「そうね」
留奈もその通りだと頷いた。
「本当に」
「そこはね」
「いや、お醤油は偉大よ」
清音は素直に賛辞を述べた、その調味料に対して。
「あれを使うとね」
「お肉でもお魚でも調理出来るわね」
清音には奈央が応えた。
「それで和食はね」
「もうお醤油でよ」
「何でも味付けが出来るから」
「本当にね」
まさにというのだ。
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