序幕
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った。
「ごめんね、練習終わりに呼び止めちゃって」
「いえ、構いません。それで、聞きたいことというのは?」
「その、最近洸夜の事見かけないけど……どうしたのかなと思ってね」
紗夜に洸夜の事を問うた少女の名前は今井リサ。紗夜の所属するバンド『Roselia』のベーシストで、洸夜とも面識があった。
「そのことでしたか……」
「うん。何かあったの?」
「実は、体調を崩して寝込んでるんです」
「え、そうだったの?!」
紗夜の口から飛び出した答えに心底驚いた様子のリサは、続けて紗夜に問いかける。
「お見舞い行った方がいいかな……?」
「本人が『移したりしたら大変だ』、と言ってたので……」
「そっか……じゃあ明日、日菜にお見舞いの品持たせるよ」
「ありがとうございます。では、そろそろ時間なので」
「うん。気をつけてね」
リサの言葉を背中に、紗夜は帰路に着く。帰宅すると、真っ直ぐに部屋を目指す。自室ではなく、洸夜の部屋に。
「あ、お姉ちゃん」
部屋に入ると、ベッドに腰をかける日菜が出迎えた。その傍らには、手と足に手錠をかけられ、口はガムテープで塞がれた洸夜が横たわっていた。横たわる彼の目は暗く濁っており、既に生気を感じられるものではなかった。
「ただいま日菜、兄さん」
軽く微笑みながら、リボンを緩める紗夜。
「また今日も楽しみましょう」
「うん。お兄ちゃんも楽しいよね? 楽しくなくてもやって貰うけど」
「だって貴方は??逃げられないのだから」
今日もまた、監禁された洸夜は2人の妹に挟まれる。2人が愛してやまない、唯一無二のモノとして??
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