第二章
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そのうえでだ、祖父母に素っ頓狂な声と顔で言ってきた。
「いきなり来てくれってどうしたのよ」
「あんた交通事故起こしたんじゃないの?」
「事故?私が?」
「相手怪我させたって」
「さっきまでお家で本読んでたけど」
康代は何を言っているのという顔で答えた。
「音楽聴きながらね」
「車で事故起こしてないの」
「車って私まだ仮免よ」
孫娘自身もこう言った。
「だからね」
「運転していないの」
「免許取ってからでしょ」
それはというのだ。
「それは」
「慰謝料で二百万は」
祖母は今度はこのことを聞いてきた。
「どうなったの?」
「二百万?そんな大金知らないわよ」
「言われてるって」
「さっきから何言ってるのよ」
「実はな」
祖父が事情を話した、すると康代はこう言った。
「それオレオレ詐欺じゃない」
「それか」
「急に俺だとか私だとか言って電話してきて」
それでとだ、祖父に話した。
「お金必要だから振り込んでってね」
「言ってくるんだな」
「それよ、それまずは本人に確認しないとね」
「駄目か」
「今みたいにね、私だってね」
祖父にこう言った。
「こうして無事だしね」
「無事でよかったけれど」
「けれどよ」
祖父に応えつつ話した。
「こんなことあったらよ」
「お前にか」
「私じゃない場合もね」
「本人に確認することか」
「まずね、いいわね」
「そうね、そうするわ」
祖母も頷いた、そうしてだった。
この件は警察に通報することにした、そのうえで。
それで終わった、だがそれでもだった。
美代香は二度とこうしたことには引っ掛からない様にしようと誓った。電話の相手の言葉を鵜呑みにしない、まずは冷静に確認しようとだ。そのことを誓ったのだった。
オレオレ詐欺に注意 完
2022・7・19
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