第2章 天狼島編
第11話 メイビス
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る。
歓喜は暫く続いていたが、その歓喜に同調せず、歩みを進めるものがいた。
「エルザっ!」
「アレンを、アレンを助けに行くぞ!!」
その言葉と共に、ペンダントを仲間にかざす。皆が目を見開く。
ペンダントの放つ光が、更に、更に弱くなり、まるで砂粒のようなものとなっていた。
「このままでは…アレンがっ…!!」
エルザは涙混じりの声を上げ、皆に伝える。
フェアリーテイルは、皆で顔を見合わせ、ハルジオンの港へと駆け出して行った。
マグノリア。
ハルジオンと同じように、魔道放送機からアレンの勝利を告げられ、歓喜の声に包まれていた。アレンの所属するフェアリーテイルのある街であり、アレンとの交流も深かった街の住民は、ハルジオンをも超える歓喜の声を響かせていた。
マグノリアの街を巡回していた残存組のフェアリーテイルも、同じく歓声を上げたり、膝から崩れ落ちて涙を流したり、固まったように動かないものがいたりなど様々であったが、アレンの勝利を心から喜んでいた。
そんなマグノリアの街の上空に、一隻の艦が見えた。
「あ、あれは、青い天馬の…」
マカオが空を見上げながら呟く。
空を飛んでいるのは、青い天馬が所有する魔道爆撃艇『クリスティーナ』であった。
「っ!フェアリーテイルのギルドに向かってるぞっ!」
ワカバが天馬の進行方向を確認しながら声を上げる。
「なんで、青い天馬がここに…」
マカオが呟くようにして声を発する。
「っ!もしかして!天狼島まで連れて行ってくれるんじゃねーか?ハルジオンの港は全壊って言ってたから、多分無事な船もないだろっ!このままアレンを天狼島に放っておいたら、本当に死んじまうぞっ!」
青い天馬とは、六魔将軍討伐の際に協力をした過去があり、今回の件を知り、駆け付けてくれたのだ。
ジェットの声に、皆が納得したような表情を見せ、クリスティーナを追うようにして、フェアリーテイルのギルドへと戻った。
「お、おい…どうすんだよ…」
困惑したような声を上げたのは、ナツであった。
アレンを天狼島より救出しようと、船の停泊する港へと急ぎ、足を運んだのだ。
冷静に考えれば、この状況は予想ができた。
「っ!そうだ…港は…」
ジェラールが苦痛の声を上げる。
ハルジオンの港は、天狼島からの衝撃に加え、高潮の影響もあり、壊滅状態であった。船の発着所は見る影もなく、船と思しき残骸は、陸に乗り上げてしまっている。
フェアリーテイルのメンバーは、皆魂の抜けたような顔をしていた。
だが、そんな様子であったメンバーの中で、一人服を脱ぎだし下着姿となる。
「っ!ウルティア!!」
エルザがウルティアに声を掛ける。
「泳いでいく」
ウルティアは小さく呟く。
「無茶言うんじゃねー。天狼島まで何十qあると思ってる!」
ギルダーツが
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