第2章 天狼島編
第11話 メイビス
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見えないほどの大穴となり、アクノロギアが静かに落下していく。
巻き上げられた岩が、地面が空へと飛散し、ドカドカと島だった場所へと散乱していく。
アレンの折れた太刀の切っ先側が、岩へと突き刺さるのと同時に、天狼島に、静けさが戻る。
頭を真っ二つに割られたアクノロギアは、ピクリとも動かず、更に深く大穴へと落ちていく。
アレンは、ふらふらと今にも倒れそうな様子で、大穴の端で落ちていくアクノロギアを視界に入れる。
端から見れば、ギリギリのところで、アレンが勝利を収めたように思えるだろう。
だが、アレンは衝撃的な言葉を残して倒れることとなる。
「…そうか…俺では…お前を…殺…せ…ない…の…か…」
アレンの手から折れた太刀が零れ落ちる。
太刀が大穴の端擦れ擦れで地面に落ち、カシャンッと音を立てる。
アレンは、そのまま倒れこむようにして意識を失い、アクノロギアと同じ大穴に落下していった。
天狼島へのエーテリオン投下まで、残り2時間を切ったところで、エルザが首から下げるペンダントに、大きな変化が訪れる。
急激に、花が放つ光が失われていったのだ。
「っ!アレンっ!!!!」
点滅するかのように光が小さくなる。
「おいおい、嘘だろ!!!ここまで来て…」
グレイが悲痛の叫びをあげる。
直後、今までとは比べ物にならない衝撃がこのハルジオンの街を駆けめぐる。
大気が悲鳴をあげるような衝撃は、その場にいるもの全員を戦慄させる。
「これは…っ!最後の衝突…ってところか…」
ラクサスが、静かに、しかし感情を含めた言い方で言葉を発する。
時間にしておよそ10数秒であっただろうか…。その衝撃も、鳴り響くような「ドゴオオオオオンッ……」という音を残し、先ほどまで間隔を開けて発生していた轟音や、風がピタッと収まる。
ペンダントの光は、更に弱弱しいものとなる。
「っ!勝ったのか!」
ナツが、徐々に平時へと収まりを見せる空を見つめながら言う。
『こ、こちら評議院!こちら評議院!!』
街の空に浮かぶ、ラッパに羽の生えたような魔道具、魔道放送機から、音声が流れる。
その声に、フェアリーテイルのメンバーだけでなく、街の住民も意識を向ける。
『現在…天狼島に出現した、黒竜アクノロギアに…!フェアリーテイル魔導士アレン・イーグルがっ…!!』
皆が目を見開き、全神経を集中させてその声を聴く。待ち望んでいる、結果と共に。
『…っ!!勝ー利しましたーーーーーーー!!!!!!!!!!!』
評議院の報告に、短い間をおき、
「「「「「「「「「うおーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!」」」」」」」」」」
と、ハルジオンの街に、天を突かんばかりの歓喜の声が鳴り響く。
フェアリーテイルのメンバーも、その報告に、涙を流し、肩を組みあったり、抱き合ったりしてい
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