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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第2章 天狼島編
第10話 vsアクノロギア
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都クロッカスを見下ろすようにして、外の景色を眺める。絶句する。先ほどまで、快晴で風も殆ど吹いていなかったが、太陽は黒い雲に覆われ、自然の風とは違う、不気味な様相を見せる風がアルカディオスの肌を撫でる。ブオッと突風が吹く。
「こ、これは、一体…」
アルカディオスと同じように、ヒスイ王女もバルコニーに躍り出て、外を眺める。国王やダートンも少し遅れて外の様子を伺う。
だが、驚くべきは、先ほどの音や不気味な風ではなかった。
南東の方向、空が、異様に黒い。加えて、赤黒い、雷のような凄まじい閃光が、南東の空を支配していた。距離にしておよそ数百キロは離れている。だが、それほどの距離が離れているにもかかわらず、音が、揺れが、風が、閃光がこの王城に伝わる。
「あの方向は…ハルジオンの方角か?」
ダートンが驚いた様子で口を開くと、玉座の間に、衛兵が1人走りこんでくる。
「国王陛下!…大変でございます!」
「どうしたというのだっ!」
衛兵は2回ほど大きく息を整え、国王に向かって声を張る。
「アクノロギアですっ!!天狼島に…アクノロギアが出現しましたっ!!!!!」
玉座の間に、衝撃が走る。
「天狼島に、アクノロギアだとっ!!バ、バカなっ!!!やつは、フェアリーテイルのアレンもろとも、エーテリオンで消滅したはずだろっ!!!!」
国王が返答する前に、アルカディオスが激高して答える。
「評議会からの報告で、詳細は不明です。それにより、天狼島からの暴風で、近辺の街や村は建造物損壊など被害多数。特に、港町ハルジオンは高潮の被害も出ております!さ、さらに…」
衛兵は言葉を詰まらせる。
「まだ何かあるのですか?」
ヒスイ王女が言葉を詰まらせる衛兵に、詰め寄るように声を掛ける。
「同じく天狼島にて、フェアリーテイルの…アレン・イーグルが、応戦しております」
皆、目を見開き、口を大きく開けて驚く。
「なんと…?あの男が…生きておったのか?だが、なぜ…」
ダートンが後ずさりしながら言う。
「それに関しても詳細は不明です。ですが、評議会からの確かな情報です。加えて、評議会、並びにフェアリーテイルマスター、マカロフドレアー両者より、アクノロギアがこのフィオーレ王国本土に攻撃をしてくる可能性が高いとの報告を受けております!!」
「そ、そんな…」
ヒスイ王女は衛兵の報告を聞き、両手で口元を抑える。
「…アレン・イーグルが敗れれば、アクノロギアの矛先が…直接…この国に…」
国王が消え入るような声で呟く。
アルカディオスが南東の空を見つめる。
「…皮肉なものだな…。評議会が、王国が、あの男を見捨てたというのに…。あの男は、見捨てずに戦っているということか…」
「っ!あの日、エーテリオンを投下すると強硬したのは評議会じゃ!」
ダートンが声を上げて反発する。
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