第2章 天狼島編
第10話 vsアクノロギア
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ルティアとカグラは、その波動に、暴風に揉まれ、一瞬で理解してしまう。
そんな様子の二人に、ガジルが声を掛ける。
「わかるだろ…俺らが行けば…アレンは戦えない…足を引っ張る…」
「「っく、ぐうっ…!!」」
ウルティアとカグラは、葛藤しながら、震えながら、足先を皆と同じ方へ向け、一歩ずつ歩み始めた。
その後、フェアリーテイルのメンバーは無事に船に乗り込み、天狼島を脱出することに成功する。
天狼島へ向かっていた時の活気は、一切見られない。
息を荒げて座り込むもの、すすり泣くもの、ただ茫然と小さくなってゆく天狼島を眺めているもの、様々であったが、皆の心は同じ感情に、絶望に支配されていた。
そうして暫く、言葉を発するものは、誰一人としていなかったが、甲板の手すりから天狼島を眺めているラクサスが、小さく呟く。
「なあ…」
ラクサスは船にいるものに声を掛ける。
「………」
誰も答えない。だが、ラクサスは、お構いなく言葉を続ける。
「俺たちは、一体…この7年…何してんたんだろうな…」
ラクサスの言葉に、子どものころから、昔から世話になった者全員が悔しそうに歯を食いしばる。
「俺は…あいつを…アレンを超えたくてよー…必死こいて力つけて…フェアリーテイルに牙まで向いて…」
そんなラクサスの言葉に、何人かが表情を取り戻し、大粒の涙を流す。
「今わかったよ…」
「もういい…ラクサス…」
ウルが、涙混じりの震えた声で制止する。
「俺は…アレンを超えたかったんじゃない…アレンと同じ目線に立って…一緒に戦いたかっただけだったんだ…!」
天狼島から、再三轟音が鳴り響く。
「結局俺は…守られてばっかりだった…」
その言葉を皮切りに、皆の涙が強くなる。
「もう、それ以上…何も言うな…ラクサス…」
エルザが、顔を真っ赤にして涙を零す。
そうしていると、気絶していたマスターに動きがあった。
「うっ…んーっ…」
「マ、マスター…!」
ミラが駆け寄る。
「ミラか…この揺れは…船の上か…」
「…はい…」
ミラが、苦しそうに答える。
「わしは…わしらは…アレンに命を…救われたのじゃな」
「…っはい…」
「わしは…」
マカロフの言葉は、凄まじい轟音に、暴風に、雷鳴に遮られる。
それを感じ取ったマカロフはがばっと立ち上がる。腹部にズキリと痛みが走る。それでもマカロフはふらふらと歩き、ラクサスの隣へ行き、天狼島を見つめる。すでに、拳大の大きさにまで遠ざかっていた。これだけ遠ざかってなお、衝撃と轟音が響いてくる。間違いではない。やはりそうだ。
「アクノロギアと…互角に…渡り合っているというのか…あの怪我で…残り少ない魔力で…」
「じじい…」
ラクサスが呟く。
マカロフは、首にかけたペンダントを見つめる。
そこには、光り輝く花が
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