第2章 天狼島編
第9話 忍び寄る巨影
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ガシャンッ…カラン…と、盾が地面へ落下する音だけが響き渡る。
「ア、 アレン…一体、何を…」
ミラがアレンに問いかけるように小さく呟く。
だが、アレンはその問いに答えることなく、再び大声を出す。
既に、アクノロギアは体勢を整え始めている。
「ラクサーーーーーーーーーーーーースッッ!!!!!!!!」
ラクサスは、目を見開いてアレンを見つめる。
「マスターを連れて!!!船へ走れー――っ!!!!!」
その叫びを聞いて、ナツがアレンに歩み寄りながら、激高して声をあげる。
「アレン!!!てめぇ!!!!!ふざけたこと言ってんじゃねーぞっ!!!!!皆でフェアリーテイルに帰るんだ!!!!!!!お前だけ残してっ!!!!逃げれるわけねーだろーっ!!!!!!」
ナツの声を聴き、皆、決心したように、おのが魔力を込める。
それを感じ取ったアレンは、「ぐぐっ」と歯を食いしばる。
「わかんねえのかっー――――――――!!!!!!!!!!!!」
アレンの大声に、ナツは怯んだように歩みを止める。
アレンは一切振り返らず、叫び散らす。
「てめぇらじゃっ!!!!!足手まといなんだよっ!!!!!!!!!」
アレンの、この上ない、暴言に…皆は感じ取ってしまった。アレンは今日この日まで、ギルドメンバーを侮辱するような発言は一切したことがなかった。いつも優しく、暖かく、まるで、太陽のように、皆を包み込んでいた。先の言葉が本心ではないことは、皆、一瞬で理解できた。だからこそ、アレンの発言が何を意味するのか、理解してしまった。
「っ!お、俺は滅竜魔導士だ!!アレンと一緒に戦う!!!だから…っ!!!!!」
ナツはアレンの肩を掴み、無理やり振り向かせる。一言、俺も強くなったんだ、と。アレンの力になれるんだ、と。そう、言ってやろうと思った。だが、言葉を発することができなかった。ナツがアレンを無理やり振り向かせたことで、アレンの顔が、後ろの皆に見えるような形となった。…絶句する。
アレンの目から、涙が、流れ落ちる。
皆の顔に、今までにない驚愕の表情が生まれる。アレンの涙など…初めて見た。
「…たのむ…にげろ…」
アレンを知っている者からすれば、それがいかにありえないことなのか、理解できないものはいなかった。
アレンの涙を、悲痛の、小さな声を聴いて、二人の男が決心する。
ラクサスはマスターを、ギルダーツはナツとカナを抱えて走り出す。
「おい、ギルダーツっ!何を!!」
「離せっ!ギルダーーツッ!!」
カナとナツがギルダーツを振りほどこうと暴れる。そんな2人を制止ながら、走り出す。
二人の姿を見て、グレイ、リオン、フリード、エルフマン、ジェラール…それぞれが、自分の足でアレンの元を去れないであろう仲間を抱える。
グレイがウルを…。
「グレイ、離せっ
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