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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第2章 天狼島編
第9話 忍び寄る巨影
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情が…我の言葉を遮るとは…」
一番初めに状況を理解したのはエルザであった。
「アレンッ!!」
エルザは、アレンがアクノロギアの攻撃を受け止めたことを察すると、アレンのいた場所へと走る。吹き飛ばされた距離が思ったより長く、迷うように少し戸惑う。視界が開ける。
「な、なんだ、これは…」
先ほどまで、後方一帯は木々が生い茂っていたはずだ。だが、木々は見当たらず、辺り一面、土にまみれていた。そして、更なる衝撃がエルザを待っていた。
ある範囲の地面が、いや、大地がひっくり返っていたのだ。目を疑った。だが、文字通り、アクノロギアが腕を振り下ろしたその場所は、完全に地面が上下逆さまになっていた。
圧倒的なパワー、暴力を見たフェアリーテイルのメンバーは足が竦み、震えが止まらずにいた。
その様子を見て、ギルダーツが激を飛ばす。
「馬鹿野郎!ビビってる暇はねーぞ!!早く立て、船へ向かって走れー!!」
しかし、それでも皆の身体は動かない。特に、ナツは瞳孔が開きっぱなしで、焦点が合っていない。
「…おい…アレン…?」
ナツは抉れた地面を見つめながら、弱弱しく声を発する。
他の者も皆、ナツと同じように、正常な判断と行動ができない。
だが、この後響き渡る声に、全員が幾ばくか、正気を取り戻す。
「フェアリーッ!!テイルー!!!!!!」
その声と共に、抉れた瓦礫の中から、アクノロギアの腕が飛び出す。アレンが盾ではじき返し、アクノロギアの腕を退けたのだ。
余りの力に、アクノロギアは体勢を崩し、少し後ろへ後退する。
アレンの叫び声を聞き、フェアリーテイルの目に生気が戻る。
「俺が時間を稼ぐ!!!!!10分、いや、15分は持ちこたえる!!!!!!全速力で船に乗り込み!!この島から離れろー――――!!!!!!!」
…初めてであった。アレンが、腹の底から叫んでいるのを、皆初めて聞いた。
稼ぐ?…逃げる?…何を言っているのだ…。それは、アレンを…置き去りにしろと…犠牲にしろということか?…皆の頭にはグルグルと、アレンの言葉と自分の解釈が渦巻く。
「…アレンッ!足止めならこのわしがやる!!お前は、お前は、絶対に死んではならん!!!じゃから、お主も逃げ……ッ」
マカロフが、アレンに代わって身代わりになろうと声を発していたその時、マカロフの腹部に、何かがめり込む。
マカロフは、自分の腹を襲った衝撃の正体を見極めるため、視線を下におろす。
腹には、アレンの盾が、めり込んでいた。
アレンを見る。アレンが、こちらを向いているのが分かった。視線をアレンの腕へと向ける。
その腕には、先ほどまであった盾はなく、自分の腹部にあるそれが、その盾であることが分かった。そして同時に、その意図も。
「ア、 アレン…お…ぬ…」
マカロフは、意識を刈り取られ、その場に倒れこむ
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