第2章 天狼島編
第9話 忍び寄る巨影
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ったく、思ってもねーのに、女連中にそんなことばっか言ってるから、しつこく付きまとわれんだよ…」
「ああっ!ラクサス、あんた今なんて言っ…って、なんであんたがここにいんのさ!!」
ウルが激高したようにラクサスを睨みつける。
ラクサスは、「だるっ」とそっぽを向いて呟く。
アレンはそんなラクサスを見て、ニヤッと不敵な笑みを浮かべる。
「余計な一言口にするから、だるいことになるんだよ」
「お前に言われたくねーよ!」
ウルも加わったことで、その後も、ギャーギャーと盛り上がりを見せる。
そんな様子を木の後ろから覗き込むようにして、見つめている人影があった。
「ちょ、ちょっと挨拶するの…怖くなっちゃったね、シャルル…」
ウェンディが困ったように口を開く。
「えぇ!?何に怯えてんの?あんた」
シャルルがはあ…と困り果てた様子でいると、その後ろをエルザが通りかかる。
「色々噂を聞いているだろうが、アレンもラクサスも……っ!」
言いかけたところで、エルザから不穏な雰囲気が漂う。
アレンに馬乗りになって抱き着いているウルが目に入ったからだ。
次第にエルザの目元が鋭く、黒くなっていく。
「や、やっぱり怖いね…シャルル…」
「いや、それとこれとは話が別でしょうが…」
シャルルが言い終えると、エルザはウルとアレンの元へと向かい、何やら言い合いをしている様子であった。
「アレンって人が戻ってきたのはいいけど、なんだかさらに騒がしくなりそうね…」
シャルルはため息をついて、やれやれといった手ぶりを見せた。
また別のところではカナがギルダーツに自分が娘であることを告白し、父と娘の感動の再会?を果たす。
また、エルザとジェラールがラクサスの破門解除について弁明し、破門を継続することを決めているマカロフに、当然だ、とラクサスも納得していたりなど、会話を広げていた。
カグラとウルティアは内陸に戻るため、船の身支度をしている。
キャンプ場では、多くの者が椅子に腰かけ、リラックスした様子で過ごしていた。そこには、ようやくウルとエルザから解放されたアレンの姿もあった。
「ア、 アレンさん、傷の方は大丈夫なんですか?」
アレンの隣に座っていたウェンディが、緊張した様子でアレンに声を掛ける。
「ん?ああ、痛みも大分引いてるよ、頑丈さと回復力だけは誰にも負けねーからよ!」
と言って、ニコッと笑う。エルザさんの言う通り、とても優しい人でウェンディは安心していた。
「あと、攻撃力と防御力と魔力とスピードもな」
グレイが続けざまに答える。
「それ、ようは全部ってことじゃねーか」
ガジルが呆れたように口を開く。
「お、漢―――!」
エルフマンがいつもの口癖を叫ぶ。
そんな会話を気にも留めていないアレンは、ウェンディに向き直る。
「てか…さ、
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