第2章 天狼島編
第9話 忍び寄る巨影
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し、S級魔導士試験が中止となったからだ。それゆえ、今年のS級魔導士昇格者はなしということで、抗議の声をあげていたのだ。
…まあ、そもそも、ガジルは候補者でもなんでもないのだが…。
そんな抗議の現場から少し離れた位置で、ラクサスは怪訝な様子で座り込んでいた。
その手はリサーナの頬へと伸びており、両の頬を引っ張っていたのだ。
「にゃ、にゃにしゅんの(何すんの)」
リサーナは頬を引っ張られているせいで、うまくしゃべれない。
リサーナの言葉に反応するように、ラクサスは頬から手を引き、今度は少し強めにリサーナの頭をポンポンと何度も叩く。
「いや、本物なのかなー、と思って」
「本物よ!失礼ね!!」
リサーナは、少し、怒ったような口調で言い返す。
「なんだよ、偽物のリサーナでもいたのか?」
ラクサスが何を言っているのかわからないアレンは、謎の行動をするラクサスに問いかける。
そこで、ラクサスとリサーナ、周りの人も「あっ」と気付いたような表情を見せる。
「あー、そういえば、あんたずっといなかったから知らねーのか…」
「ん?何がだよ?」
アレンが聞き返すも、皆言いにくそうに口を開かない。リサーナが自分のことだからとアレンに説明する。
「えっと、詳しく話すとややこしくなるから、割愛するけど…私、実は数年前に不慮の事故で死んだことになってたの…」
「はぁ??どういうことだよ…」
「えーっと、死んだと思われてたんだけど、実は生きてた…みたいな…」
リサーナはへへっと、少し恥ずかしそうに答える。
「ふーん、世の中には、そんなおかしなことがあるもんなんだなー」
「「「「「お前がそれを言うんじゃねーよ!!!!!」」」」」
ラクサス、リサーナ、フリード、ビックスロー、エバが、息ピッタリに突っ込みを入れる。
「おお、ナイ…ス、つっこ…」
アレンは何かを察したように、言葉が途切れ途切れになる。ゆっくりと手で顔を覆う。
「そ、そうか、だからミラジェーンのやつ、性格が変わって…そういうことだったのか…」
「(((((いや…半分はあんたが原因だけどね…)))))」と、5人は心の中で唱えるように再度、突っ込みを入れる。
「ってことは、性格が逆もど……」「アレーン!!!」
アレンの言葉は終わりを迎えることなく、横から突っ込んできたものに遮られた。
「無事だったんだねーー!!!よかったー――!!!!!」
突っ込んできたのはウルだった。うわあああん、と大泣きしながらアレンを押し倒し、抱き着く。
「いって…おお、ウルか!!久しぶりだなー!…7年も経ってるのに、逆にきれいになってんじゃねーか!!!」
ウルはその言葉に感極まった様子で、アレンの胸に顔を擦り付ける。
ラクサスはため息をつく。アレンの無意識好感度上昇発言に、呆れたように口を開く。
「
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