第2章 天狼島編
第7話 決着
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の魔力を帯びてやがる!喰らったら死ぬぞ!!」
ラクサスの悲痛にも似た叫びに、他のフェアリーテイルのメンバーも目を見開き、心配そうにアレンを見つめる。
アレンもその魔法の危険性をすぐに察知し、受け流すことも難しいことを理解する。
放たれた魔法は、中々の速度であったが、アレンが避ける分には問題のない速度であった。しかし、避けたことが大きな間違いであることを、アレンはすぐに気づく。
ハデスが、ニヤッ笑う。
「避けて、よかったのかね、アレンよ」
ハデスに言われるのと同時に、アレン自身も自分で気づく。この魔法の進路には、フェアリーテイルのメンバーがいた。アレンはすぐに魔法を追いかける。あの魔法は、自分が先ほど顕在化したスサノオを打ち砕き、中にいるメンバーへと攻撃が届くほどの威力を持っていると理解したからだ。
(く、くそ!間に合え!!)
「全員、伏せろー――!!」
ラクサスは、魔法がこちらに向かってきていることに気付き、仲間に向かって叫ぶ。
その言葉通りに、皆はその場で頭を抱えて伏せる。
…しばらく経った後、ラクサスやエルザは、そっと目を開け、状況を確認する。アレンの魔力に包まれていることは変わらなかった。一瞬、ほっとする。アレンの魔力が、スサノオの防御力が勝ったのだと。だが、それはすぐに覆されることとなる。
――ピチャッ…ポタッ…
奇妙な、不穏な音が聞こえる。血がしたたり落ちるような音が……。
視線を前へと向ける。目を見開く。
そこには、自分たちを守るようにして、アレンが両手を広げ、こちらを向いている姿が映った。
「ア、 アレン…」
エルザが、今にも消えそうな声で呟く。
――ピチャッ
また同じような不穏な音が聞こえる。
アレンの足下を見る。誰かがひっ…と声をあげる。そう、アレンの足元に、血だまりができていた。アレンはハデスの魔法を背中で受け止め、それによって、背中から血が滴らせているのだ。だが、エルザ達からアレンの背中を見ることはできない。
「ぐはっ…」
アレンが大粒の血を吐き出す。
「「「「「「「「「アレーン!!!!」」」」」」」」」
ラクサス以外のメンバーが悲痛の叫び声をあげる。
「ば、ばかやろうがっ!!!」
ラクサスはアレンへと怒鳴り声をあげる。だが、それはアレンを心配してのことであった。
油断した。完全に油断した。ハデスを、見くびっていた。アレンはそんな風に考えながらハデスへと向き直る。
すると、エルザ達側から、アレンの背中が見えるようになった。絶句する。
背中側の服は完全に消滅し、アレンの背中一面が、真っ赤に染まっていた。それは、アレンの背中の傷が、深いことを意味していた。
「「「あ…っ、ああ…」」」
エルザ、カグラ、ウルティアは声にならない悲鳴を漏らしながら、涙を浮かべる。
「「「「な、なんで
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