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冥王来訪
第二部 1978年
狙われた天才科学者
一笑千金 その4
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)に、気付いた木原が怒って、ゼオライマーが牙を剥いたらどうなるのだろうか。
この国は、いとも容易(たやす)く木っ端微塵に、されるだろう」
紫煙を燻らせるヤウクから、(いさ)めの言葉を聞いて、ユルゲンは途端に恐ろしくなった。
 カザフスタンのウラリスクハイヴに行った時の事を思い起こす。
かざした腕より放たれる一撃の技で、あの60メートル近くある要塞級をいとも簡単に消し去る。
蟻のように群がり、戦術機をいとも簡単に食い破る戦車級を、まるで芥の如く一陣の風で消し去った。
 あのような天下無双の機体には、恐らく核飽和攻撃も、無意味であろう。
奇しくも5年前、ソ連留学中に訪問したウラリスクの町を、ソ連赤軍が核飽和攻撃で焼く様を、ヤウク達留学組と一緒に見ていたが、ゼオライマーの攻撃は、その比ではなかった。
 文字通り、BETAは塵一つ残らず消滅させられ、ハイヴは砂で作ったの城塞の如く、濛々と土煙を上げて崩れ去っていったことを、いまだ鮮明に覚えている。

 ヤウクの後ろ姿を見送ってから、その足で客間に向かうユルゲンは、一人、心のうちで、
「ああ、大変な事をしてしまった物だ」と、慚愧(ざんき)の念に(さいな)まれていた。

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