第八十話 地下神殿の死闘・後編
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?」
「ちいねえさま。私、ちいねえさまの自慢の妹になりたかったの」
「そう、でも無理しちゃ駄目よ。ルイズにもしもの事があれば、みんなが心配するわ」
「みんな? お父様やお母様も?」
「それだけじゃないわルイズ。エレオノール姉様も、マクシミリアンさまも、アンリエッタもみんな心配するわ」
「ごめんなさい、ちいねえさま!」
ぐずりながら謝るルイズをカトレアは愛おしそうに撫でた。
「姉妹のスキンシップ中に申し訳ないが、僕も回収してくれないか?」
「マクシミリアンさま!」
「お義兄様!」
『アイス・ボム』の上に乗った状態でマクシミリアンも落下してきた。
『アイス・ボム』を展開中のマクシミリアンはこの時一切の魔法が使えない。
カトレアはマクシミリアンの手をとってルイズと一緒に抱き寄せた。
「あの氷の塊を何に使うお積りなのですか?」
「アレを奈落の底まで落として起爆させる」
「起爆ですか?」
「あの『アイス・ボム』はその名の通り氷の爆弾だ。火を一切使わない代わりに、超圧縮された水球を凍らせその周りを氷で覆った爆弾。圧力を解放させる事で、最新の爆弾と同程度かそれ以上の爆風を起こさせ、内封した冷気で周囲を氷漬けにし、周りを覆った氷の破片で敵を殺傷する……そういった魔法だ」
「内封した冷気で、あのスライムを氷漬けにするおつもりなのですね」
「その通り、カトレアは起爆させる瞬間、僕達を『エアシールド』で守って欲しい」
「畏まりました」
「ルイズ」
「ひゃ、ひゃい!」
突如、マクシミリアンに振られたルイズは緊張した様子で応えた。
「言いたいことは山ほどあるがそれは後にしておこう。だが一つだけ言わせて欲しい。あまりカトレアを心配させるな」
「……はい」
ルイズが壊れた桟橋から落ちた際、カトレアは脇目も振らず救出のために落ちていった時の事を思い出し、その時は肝が冷える想いだった。
「……間もなくだ」
どれ程落ちただろうか。
マクシミリアンは『目からサーチライト』で奈落の底を映し、底が近いことを悟った。
「起爆させる。頼んだぞカトレア」
「分かりましたマクシミリアンさま。ルイズもしっかり掴まっていて」
「はい、ちいねえさま」
マクシミリアンが起爆のルーンを詠み始めると、カトレアは銀の杖を握りなおして起爆に具えた。
『アイス・ボム……デトネイト!』
カッッ!
瞬間眩いばかりの閃光が、真っ暗闇の奈落の底を映した。
「今だカトレア!」
「はい! エア・シールド!」
カトレアが『エア・シールド』を展開させるのと同時に強烈な爆風と冷気が三人を襲った。
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