第八十話 地下神殿の死闘・後編
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の使い方は分かるな」
「はい」
カトレアはコマンド隊にも後退命令を出し、地下神殿の戦闘は第二ラウンドに移ろうとしていた。
☆ ☆ ☆
マンティコア隊とコマンド隊に変わって、グリフォン隊とヒポグリフ隊が投入され、『這い上がるモノ』と戦闘が繰り広げられていた。
マンティコア隊はコマンド隊は迷宮側に後退し、補給と手当てを受けていた。
「うう、痛てぇ……」
「傷は浅いぞしっかりしろ」
衛生兵役のメイジは、『這い上がるモノ』の溶解液で表面が溶けたマンティコア隊隊員の腕に『ヒーリング』をかけていた。
死者こそ居なかったものの、重傷者多数で中には手足を溶解液で欠損した者まで居て、通路内は負傷者の悲鳴と流れる血でで地獄絵図の様相を呈していた。
着いて来たアンリエッタとルイズは青い顔をしながらその光景を遠巻きに見ていた
「なんて酷い……」
「姫様は無事なのですか?」
「大丈夫じゃないですけど、何とか手助けをしてあげたいわ」
そう言うとアンリエッタは衛生兵の所へ行き、
「私も『ヒーリング』ぐらいなら使えます。手伝わせて下さい!」
と言った。
衛生兵は驚いた顔でアンリエッタの顔を見た。
「お言葉ですが王妹殿下。万一負傷した隊員が王妹殿下に無礼を働くやもしれません。王妹殿下は後方で我らの働きを見ていてくだされば我らの士気も上がりましょう」
と否定的なニュアンスで、それとなくアンリエッタに言った。
「でも……私はみんなの役に立ちたいの」
「そのお心だけで十分でございます」
やんわりと断る衛生兵にアンリエッタは焦りを覚えた。
(このままじゃ、押し切られちゃう……!)
どう説得したものかと、アンリエッタは通路を見ると負傷者の数に対して衛生兵の数は少ない事に気付く。
「怪我人の数より水メイジの数が少ないです。効率を考えて私にも手伝わせて下さい!」
「それは……」
最近のトリステインは、効率を重視する傾向だった為、この説得は効果があった。
「ううむ、分かりました。ですが精神切れを起こさないように注意をお願いします」
「もちろんです。あなた方に迷惑は掛けさせません」
「分かりました。では王妹殿下には比較的軽症の彼らを手当てして頂きます」
「分かりました」
自分の仕事を見つけたアンリエッタは衛生兵達の輪に入った。
「アンリエッタ様、どちらへ」
「アニエス、私これから衛生兵の手伝いをするから」
「ああ!? お待ち下さい!」
アンリエッタを放って置
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