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イベリス
第六十話 何があっても自分はその三

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「誰だって告白出来るじゃない」
「咲ちゃんみたいに考える人だけじゃないの」
「そう考える人もいるの」
「そう、それでね」
「そう思われてなの」
「評判が落ちてね」
 そうなってというのだ。
「その分見限る人が出るのよ」
「友達でも?」
「そこで見限る人なんて友達じゃないわよ」
 愛の今の言葉はあっさりとしたものだった。
「そもそもね」
「そんなことで裏切る位なら」
「そう、けれど調子のいい時は友達の顔をしてね」
「いい目を見るのね」
「そんな人もいるのよ」
 世の中にはというのだ。
「これがね」
「そうなのね」
「けれど昨日まで友達と言ってた人達がいきなり縁を切るよ」
「それショックよね」
「それでその娘も物凄くショック受けてね」
 友達に裏切られたと思ってというのだ、例えそれ位で裏切る様な輩供が友達でなくともその時はそう思っていたのだ。
「傷付いたのよ」
「何か地獄みたいね」
「実際に地獄を味わって」
 そうなってというのだ。
「性格が変わったの」
「怨みを持って」
「今も過去を全く忘れてないわ」
「そうなのね」
「何もない人には明るくて優しいけれど」
「言った人にはなのね」
「凄くね」
 咲に真剣な顔で話した。
「嫌悪感丸出しでね」
「言うのね」
「言うだけじゃなくて態度によ」
「出てるの」
「顔にもね」
「徹底的に嫌ってるのね」
「そうなの」
 実際にというのだ。
「そうした人になったの」
「そうなのね」
「堂々とあの時のこと忘れないともね」
「本人にも言ったの」
「本人どころかたまたま傍にいたご家族や彼氏さんにもね」
「うわ、それはまた」
 咲はその話には引いて言った。
「怨みがね」
「凄いってわかるでしょ」
「心底怨んでないと周りにも言わないわね」
「その娘今は痩せてるけれどね」
「太ってて振られて」
「それを言われたことは絶対に忘れないってなってるの」
 こう話した。
「それでその為にね」
「そこまでするのね」
「そうなの、親しくしている娘達も言いたいけれど」
「言えないの」
「私もね」
 愛自身もというのだ。
「何をされたか言われたか知ってるから」
「それでなのね」
「咲ちゃんも振られた後で次は誰に告白するんだとか嘲笑われて言われたら覚えてるでしょ」
「悪意丸出しよね」 
 咲は愛の例えに顔を曇らせて応えた。
「それって」
「それじゃあ忘れないわね」
「一生かどうかはわからないけれど」
 それでもというのだ。
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