第五百三話 サファリパークその五
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「やっぱり大変なことになるよな」
「わかるわよね、そのこと」
えりなは網切りにも必死の顔で言った。
「今の幸平君でも大変なのに」
「これでベートーベンの兄さんを真似たらな」
「もうそれこそだよな」
「大変なことになるわよ」
「そこがまたいいにしても」
緋沙子はポロリと本音を漏らした、それからさらに言った。
「えりなちゃんを困らせるので止めて欲しい」
「駄目か」
「絶対に駄目よっ」
えりなの声は必死なままだった。
「全く、とんでもない人は参考にしないの」
「結構憧れないか?」
「普通の人は憧れないわよ」
「わーーーーはっはっはっはっは、なら我に憧れるのだ」
ここでミリムが名乗り出た、ラフなワンピース姿で言う。
「幸平なら大歓迎だぞ」
「あっ、そうっすか」
「うむ、思う存分手本にするのだ」
「じゃあお言葉に甘えまして」
「この人も駄目よ」
えりなはまた言った、顔の必死さは消えない。
「魔王じゃない」
「そう言うとリムルさんやラミリスさんもだけれどな」
「この人は特に我が道を行くでしょ」
「だから駄目か」
「そうよ、何でこう貴方はいつもとんでもない方向に行くのよ」
「突き抜けたら確かに面白いわよ」
順子はそれはいいとした。
「けれどコントロール出来ないと意味がないわよ」
「コントロール出来ない力は恐ろしいものになりますから」
こう言ったのは佐土原舞だった。
「幸平さんは今でもそんな風ですから」
「じゃあクラシカロイドの人達はか」
「参考にされないで下さい」
「そうなんだな」
「今のままでも大変ですから」
「本当に彼いつもこうだからね」
えりなは必死の顔のまま舞にも話した。
「わかるでしょ、総長の私の苦労が」
「非常に」
「そうでしょ」
「はい、本当に」
舞はえりなに心から頷いて答えた。
「もう長いお付き合いになっていますし」
「砂土原産がそうなら私は遥かによ」
「同じ世界なので」
「そう、だからね」
そえでというのだ。
「大変よ」
「そうですよね」
「暴走しっぱなしだから」
「失敗した時もですよね」
「もう失敗したお料理なんか」
えりなはその時のことも話した、幸平と同じ世界にいるだけあって非常に説得力のある言葉が続いていた。
「最凶でね」
「あの時は確かに酷いですね」
「猛獣以上よ、ただ」
ここで、だった。えりなは。
言葉を一旦止めてそれからこう言った。
「そうでない幸平君は幸平君じゃないわね」
「やっぱり我が道を行くでないと」
「ええ、どれだけ勝っても負けてもね」
「前に行くからですね」
「幸平君よ、大変で言いはするけれど」
それでもというのだ。
「まあ止めることはね」
「されないですね」
「そ
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