暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第119話:ヒーローは遅れてやって来る
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 ギアを破壊され窮地に陥った調。その調を救ったのは、改修が完了し新たなシンフォギアを纏った翼であった。

 頼りになる相棒の復活に、奏は一度ミカから距離を置き翼の元へと向かう。

「遅かったじゃないか翼! それにクリスも!」
「間に合って良かった。月読は無事だ。暁もな」
「アタシはついでかよ?」
「そう言う訳じゃないよ」

 軽口を叩き合いながらも、彼女らはミカへの警戒は緩めない。調と切歌の2人を圧倒し、奏とも互角に渡り合ったミカの強さを警戒しているのだ。
 こいつは一筋縄ではいかないと、戦う前から理解していた。

「さて、どうしてくれる先輩方?」
「反撃……程度では生温いな。逆襲するぞ!」
「とは言え、アイツ結構強い。油断してると足元掬われるぞ」
「望むところ!」

 奏を先頭にアームドギアを構える3人の装者。彼女達を前にして、しかしミカは笑みを崩さなかった。

「フフフフフッ!」

 ミカと対峙する3人を、調と切歌が見守っている。その様子は本部でもモニターされていた為、マリアが発令所の男衆に怒鳴り声を上げた。

「男共は見るな!!」

 当然モニターを見なければ、あおいはともかく朔也は戦闘管制が行えない。

 司令部の苦悩を察してか、現場には他所での戦闘を切り上げてアルドがいち早く2人の救助を行った。

「お2人とも、ご無事ですね?」
「アルドさん!」
「さ、これを」

 アルドは裸体を晒す2人に毛布を掛け、その上で足元にテレポート・ジェムを叩き付けて調を本部に転移させる。切歌も同様だ。

 その様子を、シンフォギアの改修が終わった事で様子を見に来たエルフナインがモニター越しに目撃する。

「あれは……」

 僅かに目を見開くエルフナインに気付く者はおらず、新たな戦いの幕が開く。

 ミカが再びアルカノイズを多数召喚し3人に襲い掛からせる。それに対し、奏は勿論翼とクリスも臆することなく迎え撃った。

「復帰したばかりだ、無茶はするなよ!」
「心配無用! 慣らし運転には丁度いい!」
「綺麗に平らげてやる!」

 向かってくるアルカノイズの集団に対し、3人は散開して戦闘を開始した。

 奏の振るう槍がアルカノイズを次々と薙ぎ払い、翼はすれ違うアルカノイズを片っ端から叩き切っていく。そしてまだ離れた所に居るアルカノイズは、クリスのボウガンが一体残らず射抜き仕留めて行った。

 その様子は正に鎧袖一触。少し前は危険と言われていたアルカノイズも、今の彼女達にとっては烏合の衆に過ぎない。

 彼女らの快進撃に、モニターを見れるようになった朔也が心なしか声を弾ませながら管制する。

「アメノハバキリ、イチイバル共に各部コンディショングリーン!」
「これが、強
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