暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第119話:ヒーローは遅れてやって来る
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ご登場か」
チラリと背後を見れば、ミカが転移してその場を離れていた。強敵であるミカはこの場から去っていったが、後には未知数の力を持つキャロルと明確に強敵であることが分かっているメデューサが残った。メイジ3人はともかく、キャロルとメデューサを同時に相手にするのは些か面倒だ。
だが向こうは奏達の事情など汲んではくれない。メデューサが手を軽く振ると、メイジ3人は翼とクリスに向けて襲い掛かった。
「くそっ!? ここに来てコイツ等か!」
「しかもこいつらは北上と同じ幹部候補! 一筋縄ではいかないぞ!」
「こいつらを通ると並べてんじゃねぇ!!」
翼とクリスが白仮面のメイジと戦闘を始めている間、奏はメデューサとキャロル2人からの攻撃に晒されていた。キャロルは錬金術による砲撃をメインに攻撃してくる。奏のアームドギアは大型なので多少の攻撃は盾代わりにして凌ぐことが出来るが、流石にこの攻撃は無理だ。受け止めれば多少踏ん張れたとしても纏めて吹き飛ばされるのは確実であり、そうなれば大きな隙を奴らに晒す事になる。
そしてメデューサ。奏としてはこちらの方が厄介この上ない。キャロルほどの火力はないが、その代わりシンフォギア装者に匹敵する機動力で颯人と同等か超えるほどの火力の攻撃を放ってくるのだ。キャロルの攻撃の合間を縫って攻撃してくるメデューサに、奏は思う様な反撃が出来ず次第に焦りを感じ始めていた。
「くそっ!?」
悪態を吐きながらキャロルの攻撃を回避し、接近してきたメデューサを薙ぎ払いで遠ざける。
その時、唐突に魔法の鎖が奏の体に巻きつき動きを拘束した。
「な、何ッ!?」
「奏!?」
メデューサにそんな事をする余裕はなかった。となると、考えられるのはメデューサについて来た白メイジしかいない。
翼とクリスと戦っている筈のメイジの方を見ると、2人が相手をしているのはそれぞれ1人ずつ。残りの1人が奏に向けて魔法を使っているのが分かった。
雑魚メイジの拘束であればその気になれば自力で引き千切る事も出来なくはないが、幹部候補の白メイジの拘束は1人で何とかするのは難しい。
それでも余裕があればなんとかできたかもしれないが、生憎と今は強敵との戦闘の真っ只中。
案の定奏の動きが拘束されると、メデューサとキャロルが嬉々として攻撃を集中させてきた。鎖に縛られた奏には、それに対する手段がない。
「これで終わりだ!」
「死ね!」
「くぅっ!?」
「奏!?」
「先輩!?」
奏の窮地に、しかし翼もクリスも助けに向かう事が出来ない。身動きが取れない奏にキャロルとメデューサの攻撃が飛んでいくのを、指を咥えてみていることしか出来ない2人に、白メイジが好きありと言わんばかりに飛び掛かり――
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