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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第119話:ヒーローは遅れてやって来る
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化型シンフォギア――!」

 了子が手掛けたガングニールはともかく、ハッキリ言ってしまえば得体の知れないエルフナインが手を加えたアメノハバキリとイチイバルに対して心配がないとは言えなかった。だが蓋を開けてみれば、翼とクリスの2人は奏に引けを取らぬ動きでアルカノイズを次々と仕留めている。
 その事にあおいは驚きの声を上げずにはいられなかった。

「プロジェクト・イグナイトは、破損したシンフォギア・システムの修復に留まるものではありません。出力を引き上げると同時に、解剖器官の分解効果を減衰するよう、バリアフィールドの調整を施しています」

 自信を感じさせるエルフナインの言葉を証明する様に、モニターの向こうでは翼がアルカノイズの触手を刀で受け止めている様子が見て取れた。改修前のギアであんな事をすれば即座にギア諸共分解されていただろう。その光景は、確かな強化が見て取れた。

 分解される恐れが無いのであれば怖い物はない。アルカノイズの攻撃を防ぎ、返す刃で翼は自分に攻撃してきたアルカノイズを反撃で倒してしまった。

 自身の改修が、確かな結果となって表れている事にエルフナインは安堵の表情を浮かべる。
 が、それと同時にエルフナインには分からない事があった。奏のギアの強化だ。

(解剖器官の分解効果は錬金術の知識が無いと防ぐことは叶わない筈。奏さんに颯人さんから移った魔力が何らかの影響を及ぼしていたとしても、それをギアの強化に落とし込むのは……)

 何よりエルフナインが気になるのは、アルドが錬金術の技術であるテレポート・ジェムを使用した事だった。

(アルドさん、もしかして……)

 エルフナインが疑念を募らせる中、奏達はアルカノイズを全て殲滅し終え残るミカへの攻撃を開始した。

「お前で最後だ!」
「ハァァァァァ!」

 奏と翼がミカに飛び掛かる。放たれた攻撃をミカは飛んで回避したが、そこに今度はクリスの大型ミサイルによる攻撃が飛んでいく。

[MEGA DETH FUGA]

 着地の瞬間を狙ってのミサイルは、回避される間も無く直撃しミカの姿が爆炎に包まれる。その様子にクリスは勝ち誇った笑みを浮かべた。

「ふっ! ちょせぇ……」

 だが爆炎が晴れるにつれて、翼は異変に気付いた。黒煙の向こうに、金色の障壁の様な物が見える。

「いや、待て――――!」
「何っ?」
「……そう簡単には終わってくれないってか」

 翼だけでなくクリスと奏の目にも金色の障壁が見えるようになってきた。

 まだ戦いは終わっていないと警戒する奏達。彼女達の前で黒煙は完全に晴れ、その先にあった光景が見えるようになった。

 そこには、金色に輝く六角形の障壁がミカを守る様に展開している様子が広がっていた。

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