第六百六十四話 連合軍への考えその八
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「中央は宦官と官吏が争いな」
「それで暴利を貪っていたんですね」
「塩だけでなく重税をかけてな」
「民衆を苦しめていて」
「それでじゃ」
そのうえでとだ、博士はさらに話した。
「塩賊もおってな」
「黄巣もそうで」
「また黄巣自身質がよくなくな」
人としてのそれがというのだ。
「そして周りもな」
「碌な奴がいなくて」
「中国全土を暴れ回ってな」
文字通り一周してというのだ。
「そしてじゃ」
「そのうえで、ですか」
「都長安も攻め落としたが」
「新たな王朝を立てられなかった」
「一時なっただけじゃ」
「所詮はならず者だったんですね」
「人を襲って、という連中じゃ」
博士は再びこのことを話した。
「わかるのう」
「そんな連中が国を治められる筈ないですね」
「それでじゃ」
「どっちも酷くて」
「わしは倒した、ただな」
「ただっていいますと」
「後の十字軍と比べたらな」
西方の彼等と、というのだ。
「まだましであったわ」
「唐にしても黄巣にしても」
「極悪と最悪の違いであるが」
「十字軍の方がですね」
「非道であった」
「連中は有名ですね」
「うむ、連合では特にな」
ここで博士はこうも言った。
「プロパガンダもあってな」
「誇張して悪く言っているっていうんですね」
「確かに十字軍は非道の極みであったがな」
「それでもですか」
「連合は十字軍がしなかったこともしたと言っておる」
連合のこのことを言うのだった。
「したことを全部言ってな」
「そこにですか」
「幾ら何でもムスリムの屍でナイル川を堰き止めてそこから洪水を起こしてじゃ」
「もっと多くの人を殺したりはですか」
「しておらん」
「そうだったですか」
「他にも京観を築いたこともない」
敵兵を殺しその屍で門を築くことである、三国志の司馬懿も築いている。
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