第二十八話 心地よくない朝その十三
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「自分はな」
「努力しないのね」
「だからな」
その様な輩だからだというのだ。
「駄目になるんだ、たかってばりでな」
「よくならないね」
「自分で何かを手に入れることが大事なんだ」
「たかるんじゃなくて」
「お金だったら自分で働いて」
そうしてというのだ。
「手に入れるのが一番だ」
「だから働くことはいいことね」
「ああ、商業科だろアルバイトも楽だよ」
「届け出出したらね」
一華は自分達が通っている商業科の話もした、商業科は女子が多い以外にも様々な特徴があるのだ。これは工業科や農業科、水産科も同じだ。
「あっさりとね」
「認めてもらえるな」
「いかがわしい場所でないとね」
そうしたものでなければというのだ。
「いいわ」
「それじゃあな」
「アルバイトしてもいいのね」
「それでお金手に入れるのもいい経験だ」
「そうなのね」
「今は部活をしていてもな」
それでもというのだ。
「けれどな」
「夏休みとか?」
「してみろ」
こう娘に話した。
「遊んだり部活をする以外にもな」
「そうしたらいいのね」
「何かとわかるしな」
「何かと?」
「お金の有難さやお金を稼ぐことの大変さに」
父はさらに話した。
「人付き合いの大事さやそれぞれの仕事のこととかな」
「何かとわかるの」
「だからな」
「やってみるといいのね」
「ああ、最近は部活も一日中しないだろ」
「それはないわね」
一華もそれはと答えた。
「短い時間で集中して」
「そうなっているな」
「長い時間やっても」
それでもというのだ。
「よくないってね」
「なってるな」
「お父さんの頃は休日は一日中だったのよね」
「運動部はな」
「そういうのないわ、少なくともうちの学園はね」
八条学園ではというのだ。
「短い時間でね」
「集中してだな」
「やってるわ」
「だったらな」
それならというのだ。
「部活が終わったらな」
「その後でなのね」
「やってみたらどうだ」
「考えてみるわ」
一華が答えて他の四人もだった。
彼女の父の言葉を聞いて考える顔になった、そのうえで今は朝食の用意をして一華の両親に出して自分達も食べるのだった。
第二十八話 完
2022・3・1
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