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イベリス
第五十九話 疑惑を自分でその十二

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「駄目だからね」
「ああ、あれもですね」
「お金なくしてね」
「浮気にもなって」
「いいことはないからね」
「そうですよね」
「貢ぐとかね」
 ホストにというのだ。
「溺れたらね」
「本当にお金なくすだけですね」
「そうよ、それでお金全部なくした人なんてね」
「馬鹿なことですね」
「ああいうのは遊びでね」
「時たまですね」
「行ってね」
 行くにしてもというのだ。
「軽く遊んで終わりよ」
「貢いだりとかはしないことですね」
「どんなにお金あっても消えるわよ」
「何かギャンブルみたいですね」
「ギャンブルとかそうした遊びはお金をなくすものなのよ」
 副部長は言い切った。
「やるにしてもね」
「程々ですか」
「そう、軽い遊びに留めないとね」
「さもないととんでもないことになりますね」
「男の人でもキャバクラで借金作ったり家庭崩壊する人いるから」
「女でも同じですね」
「そうよ、まあ小山さんそうした趣味はなさそうね」
 副部長は咲の性格からも言った。
「幸い」
「ギャンブルとかそういうのはしないですね」
「遊びでもなのね」
「トランプ位はしても賭けはしないです」
「そうなのね」
「弱いですから、私」
 咲ははっきりと言った。
「ギャンブルは」
「自分でわかってるのね」
「だからしません、あとホスト行くよりも読書やゲームの方がいいですよね」
 これまたはっきりと言った。
「そうですよね」
「そう思うならそのままでいいわ」
「読書やゲームですね」
「ゲームの課金にも気をつけてだけれどね」
「それもありますね」
「まあそうした遊びはしないならね」
 ホストやギャンブルはというのだ。
「もうそれでいいわ」
「じゃあそうしていきます」
「そうしてね。ただ恋愛はね」
「痛い思いや辛い思いをしても」
「好きになる時はなるし」
 それにというのだ。
「それも人生の勉強になるわよ」
「そうなんですね」
「ええ、そのことは覚えておいてね」
 副部長は咲に笑顔で話した、だが話を聞く咲はこの時はまだ自分に恋愛が縁があるとは思えなかったのだった。


第五十九話   完


                 2022・4・15
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