第五十九話 疑惑を自分でその十一
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「それでよ」
「不倫がばれてですか」
「相手の家庭もこっちの家庭もね」
「大騒ぎだったんですね」
「本当に離婚とか慰謝料とかね」
「家庭裁判所とかですか」
「そうしたお話になってね」
それでというのだ。
「もう親戚中も大騒ぎなって」
「とんでもないことになったんですね」
「そうよ、親戚は言うなら愛人さんだったのよ」
「もう愛人さんも今いないですよね」
「今時ね」
「そうですよね」
咲もそれはと返した。
「流石に」
「けれどそれが相手の奥さんにばれて」
「それで、ですか」
「そんな騒ぎになったの」
「そうですか」
「それで相手の男の人大きな会社の部長さんだったけれど」
「不倫ばれたら会社にいられないですね」
今はそうである、かつては愛人がいるというのは立場のある男ならあったことでも今は違うのである。
「それで退職ですか」
「しかも離婚で慰謝料もね」
「支払って」
「親戚も支払って」
慰謝料をというのだ。
「それでね」
「そのうえで、ですか」
「そう、親戚全員から縁を切られて」
「勘当ですね」
「今はどうしてるやらよ」
「相手の人と一緒になったとか」
「別れたわよ」
副部長の言葉はあっさりとしたものだった。
「もうね」
「その時にですか」
「物凄いゴタゴタでね」
そうなってというのだ。
「お互い嫌になってね」
「そうしてですか」
「別れたのよ、親戚も仕事なくなったしね」
「勘当されて」
「両方全部失ったのよ」
「それが不倫の結末ですね」
「そんなやったもの勝ちみたいな展開はね」
副部長は眉を顰めさせて言った。
「そうした漫画だけよ」
「成人漫画ですか」
「ああした漫画はないから」
現実にはというのだ。
「そうしたことが麻薬みたいでしょ」
「それここで言います?」
学校の図書館でとだ、咲はどうかという顔で返した。
「ちょっと」
「まああからさまなことは言ってないからね」
「いいですか」
「セーフでしょ、兎に角ね」
「不倫は現実にするとですか」
「碌なことにならないわよ」
「そうなんですね」
「だから駄目よ」
「しないことが見の為ですか」
「あとホストに入れ上げるのも」
男ならキャバクラになる、こうした遊びも過ぎるとよくないものだ。
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