第五十九話 疑惑を自分でその八
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「心の傷って身体の傷より治りにくいのに」
「抉られてですか」
「余計に酷くなってね」
そうなってというのだ。
「そこから歪んでからかったり言った相手も怨んで」
「何か嫌な風になりますね」
「憎んで心を憎しみに支配されてね」
「ああ、ダークヒーローみたいになるんですね」
「復讐鬼になるのよ」
そうなってしまうというのだ。
「挙句はね」
「憎しみに心を支配されて」
「人間憎しみに心を支配されたらね」
その時はというのだ。
「復讐鬼になるしかないのよ」
「そうなってしまえば」
「もうね」
「そうですか」
「それで復讐鬼の末路なんて一つよ」
まさにというのだ。
「そうなったらね」
「どうなるんですか?」
「復讐ばかり考えてそれを果たそうとして」
「果たしていくんですね」
「手段を選ばずね、憎しみに心を支配されたら手段も選ばなくなるのよ」
復讐を最優先するからだ、どういった卑劣で残忍で陰湿で執念深い行動も採る様になってしまうのだ。
「それで延々と復讐を果たしていって」
「ああ、そうした人って創作に出ますけれど」
「そうでしょ」
「絶対に碌な結末迎えないですね」
「理由はどうあれ悪いことをしていくからね」
「だからですね」
「世の中因果応報だからね」
この節理が存在するからだというのだ。
「だからね」
「報いを受けますね」
「絶対にね」
それこそというのだ。
「そうなるわ」
「最後はですね」
「だからね」96
その為にというのだ。
「復讐鬼の末路は一つしかないのよ」
「悪いことしかないですね」
「そうよ、いい結末なんてね」
「ないですね」
「復讐鬼にはね」
「そうですか」
「最悪そうもなるのよ」
恋愛で辿る道によってはというのだ。
「これは最悪のパターンだけれどね」
「有り得るんですね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「本当にね」
「そうですか」
「だからね」
「怖いんですね」
「そうよ、恋愛で自殺した人もいるし」
こうしたこともあるのだ、自殺によって悲しみ残念に思う者が誰であろうと多くいるものであるが。
「今言うみたいに人格が変わる人もね」
「いてですね」
「怖いわよ、けれど好きになったらね」
そうなったならというのだ。
「もう止まらないこともよ」
「あるんですね」
「そうよ、危ないとか怖いとか思っても」
「止まらなくて」
「告白して絶対にね」
「お付き合いしたいですね」
「そう想う場合もね」
そうしたこともというのだ。
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