とある自由惑星同盟転生者の話 その3
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らだ。
向こうがその気になれば勝負はすぐに決まるだろう。
原作だと、もうすぐキルヒアイス、ワーレン、ルッツ艦隊が背後を突く。
だが、ワーレンのサラマンドル、ルッツのスキールニルは前方の敵軍の中にある。
どういうことだ……奇襲は無いのか?
「背後に新たな敵艦隊出現!数……お、およそ50000!!」
「なに!?」
50000隻だと!
確か原作では30000隻だったはずだ。
多すぎる!!
「敵中央に真紅の戦艦を確認。ヤン艦隊より報告のあったハプスブルク上級大将率いる艦隊と思われます」
敵の別動隊が砲撃を浴びせてくる。
だが、正面の敵で手一杯の同盟軍はそれに対応することができない。
「オレーグ被弾!」
「リューリク自走不能!」
「ロロ轟沈!」
「戦艦パルテノン、戦艦イスタンブール撃沈! カスパー提督、イワンコフ提督戦死!」
俺の元には絶望的な報告が引っ切り無しに入ってくる。
こころなしか、背後の艦隊が攻撃のリソースをこの第十二艦隊に多く割いているような気がするが……。
「戦艦コーカサス撃沈、副司令官ワイトル少将戦死!」
「ワイトル少将が……」
ワイトル少将は俺が大佐の時……第六次イゼルローン要塞攻防戦で俺の上司だった人物だ。
実力は中の上ぐらいだったが、良い人だった……。
これで、第十二艦隊の分艦隊司令官で生き残ってるのは俺だけか。
「旗艦ペルーン撃沈! ボ、ボロディン提督……戦死!」
ボロディン提督―――。
「………指揮権を引き継ぐ。装甲の厚い戦艦を外側に、火力と装甲の弱い艦を内側にして
敵の攻撃に堪えながら……撤退せよ!」
見れば第五艦隊、第十三艦隊も艦を撃ち減らされながらも撤退の態勢に入っている。
損害はこちらほどでは無さそうなのが唯一の救いだ。
・・・・・
逃げる同盟軍と十数万の大兵力で追う帝国軍。
一度でも止まれば、あの大艦隊に包囲殲滅させるだろう。
ヤン中将から殿を引き受けると通信があった。
原作では上手く切り抜けることが出来たが、あのハプスブルク上級大将とやらが転生者なら、ビッテンフェルト艦隊の薄さに何らかの手を打っているはずだ。
そうなったら第十三艦隊は……。
ここは原作通りに行くことを祈ろう。
俺に出来るのはそれだけだ。
* * *
結果的に、ヤンは疑似突出を使って撤退に成功した。
それは、ビッテンフェルト艦隊を突破することが不可能だとヤンが判断したことを意味する。
これで、『ハプスブルク公爵 = 転生者』は確定だ。
公爵ということは門閥貴族。
彼は、この後のリップシュタット戦役でラインハルトに付くのか、それとも……。
いずれにせよ
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