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八条学園騒動記
第六百六十四話 連合軍への考えその六

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「むしろじゃ」
「武器が強いだけに余計に厄介ですね」
「昔はよくヤクザ者を兵隊にしておった」
「あとホームレスですね」
「というかそうした連中でもないとな」
 相当質が悪いか食いっぱぐれた者達でないと、というのだ。
「兵隊にはならなかった」
「そうでしたね」
「中国では昔から徴兵制があったがな」
 このことは春秋時代からだ、尚連合では徴兵制は一切ないので中国も今はない。
「実際はな」
「普通の人は兵隊にならなかったですね」
「普通に兵役を逃れるからのう」
「そうするんで」
「それでも兵隊は必要でな」 
 即ち軍隊はというのだ。
「そうした者達をな」
「入れてたんでしたね」
「酷い場合は病人ばかりであった」
「えっ、病人って」
「国も末期症状になるとじゃ」
「もうまともな人が来なくて」
「それじゃ」
 国の腐敗が極まってというのだ。
「もう編成する方もおかしくてな」
「病人をですか」
「兵隊にしてな」  
 そうしてというのだ。
「叛乱軍に向かわせておった」
「もう無茶苦茶ですね」
「黄巣の頃じゃ、あの時わしは両方と戦っておった」
「黄巣って唐代の叛乱者でしたね」 
 野上君は自分の歴史の知識から答えた。
「そうでしたね」
「うむ、潮の密売商人でな」
「塩って誰にも必要ですしね」
「昔は国家の専売であった」
 漢の武帝が定めたものだ、それと鉄をその様にして国家統制と国庫の安定に役立てたのである。どちらも絶対に必要なものだからだ。
「それで国も末期になるとな」
「普通にその値段吊り上げたんですね」
「そうであってな」
「そこに塩を密かに売る奴が出ましたね」
「塩賊と言った」
 その潮の密売商人達のことをだ。
「黄巣がそれであった」
「そうでしたね」
「そして当時の中国を一周したのじゃ」
「大叛乱でしたね」
「あの国の歴史上最も大規模な、な」
「そうでしたね」
「それでじゃ」
 博士はさらに話した。
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