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夢幻水滸伝
第二百四十六話 三省併合その十
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「そうせなあかん、そやからな」
「はい、ここは」
「徹底的に捜査をするんや」
「わかりました」
 警察長官は施に一礼して応え彼が命じた徹底的な捜査に入った、するとすぐに恐ろしいことがわかった。
「その記者はタブロイドの記者で」
「そや、現代新報のな」
 施は白に話した。
「そこの記者でや」
「拙者達の勢力の中でも一番悪質なタブロイドですね」
「そや、不安を煽り立てるわ上海の市長達を事実無根で罵倒してな」
「怪しげな政治家ばかり持ち上げる」
「そうした腐りきった新聞やが」
「その記者がお酒を飲んで暴れて」
「それでや」
 そのうえでというのだ。
「ヒロポンまで持ってたんや」
「しかも捜査を行うと、ですね」
 王も言ってきた、今は五人で炒飯と飲茶それに酒の夕食を摂っている。王はフカヒレ餃子を食べつつ言っていた。
「何と新聞社の記者の多くが麻薬中毒で」
「しかもマフィアと結託していた」
「麻薬を売っていた彼等と」
「そうやった」
「とんでもない話ですね」
「碌でもない連中やと思っていたが」
 施にしてもだ。
「まさかな」
「ヤクザ者と結託しているとは」
「そして裏社会の碌でもない遊びを楽しんでな」
 そうもしてというのだ。
「楽しんでいたんや」
「それで、ですね」
 紅美は蟹焼売を食べながら応えた、見れば白も今はそれを食べている。
「新聞社もマフィアも」
「自分が自ら警官を率いてや」
「一斉摘発ですね」
「マフィアのアジトにも襲撃かけてな」
 そうもしてというのだ。
「一網打尽にした」
「そうなのですね」
「そして逃げた奴もおったがその連中には追っ手を差し向けてな」
 そうしてというのだ。
「連中も記者達も殆ど捕まえた」
「そうしましたか」
「そして取り調べに入ってるが」
 施は醤油味のスープの麺を食べつつ話した。
「現行犯やしな、特にマフィアの連中は大量の麻薬をアジトに持ってて他の犯罪の証拠もどんどん出て来てる」
「有罪は確実ですね」
「まあ全員死刑か強制労働や」
 そうなるというのだ。
「確実にな、そして新聞社はな」
「倒産ですね」
「記者がほぼ全員有罪になるんや」
 白身魚の蒸したものを食べている蒲に答えた。
「それやとな」
「間違いなくですね」
「会社自体が潰れるわ」
「そうなりますね」
「実際事件が明るみに出て株価は大暴落でや」
 そうなっていてというのだ。
「そしてや」
「そのうえで、ですね」
「そや」
 そのうえでというのだ。
「新聞は発刊出来ん様になってる」
「それやと未来はもう」
「一つや」
 それこそというのだ。
「そうやさかいな」
「あの新聞社は終わりですね」
「やっぱりタブロイドは碌なもんやないわ」

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