第七十九話 地下神殿の死闘・前編
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トレアを抱え『エア・ジェット』で回避行動を取り巨大な腕を避けた。
「陛下!」
「陛下ぁ!」
神殿内のあちこちから、マクシミリアンを心配する声が聞こえる。
カトレアを抱えたマクシミリアンは、神殿中央の天井部まで昇り、内装の出っ張りを足場にした。
「怪我は無いか?」
「わたしは大丈夫です」
カトレアの無事を確認すると、マクシミリアンは先ほどの巨大な腕を観察し始めた。
「あれはスライムだな、巨大な腕の形をしたスライムだ」
「深い地の底から伸びてきたという事でしょうか?」
「そうみたいだな……多分だが、この地の底にはとんでもない量のスライムが、あえて表現すればスライムの地底湖があると見た」
「スライムの地底湖……」
「アンリエッタの話から推測すると、古代フリース人の最後の居住地がこの地の底だったのだろう」
「追い詰められた古代フリース人は、民族ごとスライムと同化した、という話でしたね」
「数千人が丸々スライムに成ったんだ。どれ程の量のスライムが出来上がったか事か……そのスライムと数千年にわたって戦い続けた先人達には頭が下がる」
二人がスライムについて話し合っていると、神殿内を飛んでいたフレールが二人に寄って来た。
『クェ』
「フレール」
「お前も無事でよかったな」
『クェ!』
フレールが口ばしで、マクシミリアンのおでこを突いた
「痛っ! なにを!?」
『クェックェッ!』
フレールは、これでもかとマクシミリアンの顔を突く。
「フレール止めて!」
『クェ』
『めっ』と叱るカトレアに、『仕方ねえな』と言わんばかりにフレールは渋々突くのを止めた。
「おい鳥公。あんまり舐めた事してると、シャーベットにして食うぞ? あ?」
時と場所を選ばないフレールに流石に怒ったマクシミリアンは、新しく調達したコルト・ガバメントをフレールに向けて数発発砲した。
パンパンパン!
『クワァーッ!』
銃の腕は壊滅的なせいか、銃弾は一発も当たらなかった。そして当然怒るフレール。
『クケェーーー!』
「上等だ! 相手になってやる!」
「フレールもマクシミリアンさまもいい加減にして下さい!」
……カトレアに怒られてしまった。
「ち、鳥公め、覚えてろ……」
『クケケッ』
フレールも『テメェこそな』と鳴いた。
「……さて気を取り直して鳥公。あのスライムを叩く為に力を貸せ」
『ペッ』
フレールは起用にくちばしから唾を吐いた。
ビキィ!!
どっかの不良漫画の様に、マクシミリアンの額に青筋が浮かぶ。
「フレールお願い」
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