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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第118話:手を取り合っても
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いられない。自分達2人では、ギアを纏えても奏1人にも及ばないのだという現実を突き付けられたのだ。

 もしここにもう一本LiNKERがあれば、オーバードーズ覚悟で追加投与も出来ただろう。しかし了子から渡されたLiNKERは一本ずつ。最初に使ってしまったので、今2人の手元にはLiNKERは残っていなかった。

 2人が悔しさに唇を噛んでいる間で、奏は1人ミカと互角に渡り合っている。

「オラオラ! そんな棒切れでアタシの相手が務まるってのか!!」

 奏が振り回すアームドギアの一撃は凄まじく、ミカのカーボンロッドも数発攻撃を受け止めれば罅が入り砕け散るほどだった。
 もう何本カーボンロッドを砕かれたか分からないにも拘らず、対するミカは心底楽しそうに笑みを浮かべていた。

「ニシシシ! お前本当に強いな! もっともっと楽しませてもらうゾ!」
「チィッ! 他所の方も気にしなけりゃならないってのに……」

 攻撃を受けているのはここだけではないという事が一つの懸念となって奏の思考をブレさせる。その一瞬のブレが僅かな隙を生み、ミカに付け入らせる隙となった。

「貰ったゾ!」
「くっ!?」

 僅かに遅れた反応。奏はアームドギアで防ごうとするが、それよりも前に奏の前に調と切歌が割って入りミカの攻撃を受け止めた。

「ッ!? お前ら、無茶するな!!」
「無茶だって何だってします!」
「そうしないと、お子ちゃまの私達じゃついて行けないんデス!」

 奏とミカの戦いを見て2人は痛感した。今の自分達には何もかもが足りていない。だが足りていないからと、それで諦めて歩みを止めていてはどんどん引き離されて本当にお荷物になってしまう。それだけは嫌だった。

 それはマリア曰く、償いでもあった。誰も信じる事が出来ないが故に、迷ったまま独走した彼女ら。その結果、奏達は勿論多くの者に多大な迷惑をかけてしまった。子供だから等言い訳にもならない。それだけの力を彼女達は振るってしまったのだ。

 にも拘らず、奏達は彼女らを温かく迎えてくれた。それに対して何も返さずにいる事は、ある意味で罰を受けること以上に彼女達の心を苛んだ。

 故に、彼女達は動いたのだ。

 その心意気は奏にも伝わった。

「ったく、仕方ないなぁ。いいか、無茶だけはするんじゃないぞ?」
「はいデス!」
「お供します」

「今度は3人で来るのか? それでもいいゾ! 私の強さについてこられるなら!」

 余裕を崩さぬミカに、憤りそうになる調と切歌だったが奏が2人を宥めた。

「落ち着け。バラバラにやっても勝てないのは分かるだろ? 特にお前達2人は」
「うっ……」
「はい……」

 厳しい奏の言葉に意気消沈しそうになる2人だったが、察した奏は
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