第7次イゼルローン要塞攻防戦A
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「バカな、後方からだと!?」
「はい、敵艦隊はすでにわが軍の後方に進出していた模様です」
「前方の敵集団はデコイとそれより数が遥かに少数の艦艇だけです!」
「しまった、まんまとはめられたのか…」
ゼークトは歯噛みしたがもはや後の祭りであった。
「えぇい、敵主力に応戦する。全艦180度回頭せよ!!」
「お待ちください閣下、今この状況で回頭してもt「黙っていろ!」
相変わらず陰気な参謀の言葉を遮るとゼークトは声を荒げた。
「回頭だ、全艦180度回頭!!」
かくして歴史は繰り返された。ただし、今度はアスターテ会戦時の第六艦隊と違い帝国軍要塞駐留艦隊が無残にも撃ち減らされる番となった。一方、帝国軍の後背で待ち伏せていた同盟軍第四艦隊は帝国軍駐留艦隊の真後ろまで上昇した段階で艦隊による一斉射を再開した。
「全砲門開け!目標前方の帝国軍!」
「敵艦隊射程距離に入ります」
「撃て!!」
同盟軍の第四艦隊旗艦、戦艦オケアノス艦長ブリス・ドルビニー中佐の号令の下、同盟軍の全艦艇が一斉に主砲を撃ち放った。帝国軍駐留艦隊は、密集隊形を組んでいたために、各艦は六に反撃できずに次々と沈められていった。そして、帝国軍の艦艇が反撃しようと回頭するが、同盟軍の攻撃によって、回頭中に横腹目掛けて砲弾やビームを叩きこまれ、次々と撃沈された。そして、帝国軍が総崩れになったところで、第四艦隊は駐留艦隊右側に回り込み、帝国軍の航行不能宙域と機雷原に挟まれて薄く長くなった陣形を衝いた。帝国軍の艦艇は慌てて反転しようとするが、その前に第四艦隊の集中攻撃を受け、多くの艦が爆散した。更にゼークトが下した回頭命令もまた混乱を広げる一因となっており、機雷原と第四艦隊と航行不能宙域と小惑星帯に挟まれた位置にいる艦艇だけではなく、全艦が文字通り回答した結果、味方同士の衝突による自滅も増えていた。
「報告、敵艦隊今だ回頭しつつあり?」
「なに、回頭だと?」
自由惑星同盟軍第四艦隊総司令官アラン・クロパチェク少将は部下からの報告に対してオウム返しで返した。
「…奴らバカか?」
思わずそんな言葉が彼の口をついて出た。確かに帝国軍の兵力は圧倒的である。だが、それでも要塞駐留艦隊は一万隻以上存在するのだ。それが一度にこのような狭く、意思疎通が困難な宙域で一斉回頭すればその動きは鈍重なものとなる上に、被弾面積が増えて各艦が混乱する。そのようなことは素人でも分かることだ。
「まあいい、チャンスであることに変わりはない。この機会を逃さず畳みかけるぞ」
「了解!!」
こうして帝国駐留艦隊の背後で待ち構えていた同盟軍第四艦隊は全力をもって攻撃を開始する。
「敵艦隊、なおも反転します」
「構わん、そのまま攻撃を続行しろ」
「はっ
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