始業式を告げる鐘
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ってもいいと思うよ。またさぼっているって」
「自動人形である私は確証がないことを言いません。だから、私は酒井様を日々このぐーたら野郎と思っていますが、ええ、確証つきですとも───以上」
おおこわなどと全然怖がっていない様子で、わざとらしいリアクションを取る酒井に対して、武蔵は無視した。
その反応に笑いながら、酒井は話を続ける。
「熱田・シュウ。生まれだけで言うならば、完璧な戦闘系だよ。熱田の姓を持つから当然といえば当然だけどね。戦闘という部門だけで言うならば最強クラスと言っても良いくらいなんだけどね」
「ですが、偶に見る熱田様の体育の授業光景では、何もできずに吹っ飛ばされているだけか、もしくはただ走っているだけです。とてもじゃないですが、戦闘系とは思えません───以上」
「はは、はっきり言うねぇ"武蔵"さん。まぁ、だからこそ、聖連から与えられた字名が終剣。名前だけ見れば、ただのイタイ名前だけど、実際はかなり皮肉った意味だものなぁ。彼の名前のシュウという名前から取った皮肉と終えるための剣じゃなくて、終わってしまった剣っていう意味で付けたからなぁ」
終わってしまった剣。
二度と振るわれず、斬らない剣という彼の存在と在り方を完璧に侮蔑した名称である。
本人はそれに関しては何も思っていないようだが、周りは色々と思っているようだ。
「何せ、副長という武蔵の最大攻撃力を示す立場にいるのに、何の強さも示さないんだからなぁ」
「Jud.確かに市民の副長に対しての不満は良く聞きます。率直に言えば……あれでいいのかと───以上」
市民は厳しいねぇと酒井は呟くが、その口調から考えると、その考えは当たり前であるという事は分っているらしい。
それはそうだろう。
武蔵の攻撃力という事はいざという時は守ってくれる存在であるという事と同義なのだから。
それが、腑抜けていて弱い存在なら、だれもが疑問に思うしかない。
「まぁ、そこら辺はトーリ次第だね。さて───そろそろ、俺も用意をしてくるかね」
「Jud.ようやく、松平四天王との約束を思い出して、準備をするという小学生もできる行いをしようと思いましたか。───以上」
ははと笑いながら、松平四天王という単語を懐かしく思いながら、彼は歩いて行く。
今、武蔵は三河へ向かっている。
懐かしの三河へ。
そして、体育の授業は結局誰も肉食教師に攻撃を与えることはできないという結果で終わってしまったと浅間は落ち込んだ。
しかも、先生は疲れた様子を全く見せずにそのまま魔神族のヤクザを張り倒す始末ですし、この人、本当に人間なのかなぁと思う私がいけないのでしょうか?
そう思ってたらヤクザもこっちのリア
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