始業式を告げる鐘
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いたが、二人は気にせず話をする。
「自動人形である"武蔵"さんとしては、皆の技能はどう思う?」
「Jud.聖連の指示によって、戦科が持てず、警護隊以外の戦闘関与組織も持てない極東の学生としては、十分過ぎる能力を皆さんは持っていると思います。これで後は実戦の空気をもっと経験すればと思います───以上」
そう思う? と酒井が面白そうに聞く声に、武蔵はJug.と無感情に答えるだけ。
それでも面白そうな表情を消さずに語り掛け続ける酒井。
「うーん。火力としては、堕天墜天コンビが結構カバーしてくれているし、パワーに関してはミトツダイラ君が。遠距離としては、浅間君。結構良いバランスなんだけど、一つ足りないねぇ……」
「? それは何でしょうか? 派手さでしょうか?───既に色々と派手に迷惑をかけていますが───以上」
「Jud.単純な凄腕の近接武術師が足りないんだよなぁ、これが」
その答えに武蔵は首を傾げる。
納得がいかないと判断しからだ。自動人形は優秀である。だから、記憶能力とかも勿論優秀であり、その記憶の中には梅組のステータスもある。
だからこそ、首を傾げるという判断に繋がったのである。
「何故でしょうか? 近接ならば、特務で言うと点蔵様、ウルキアガ様、ミトツダイラ様、一般生徒ならばアデーレ様やノリキ様などがいます。これだけいれば十分と判断できます───以上」
贔屓をしているわけでもなければ弁護をしているわけでもない。
大体、自動人形には感情がないのである。だからこそ、彼女がいった事は事実としての答えである。だからこそ、さっきの酒井の答えに納得が出来なかったのだろう。
しかし、酒井はその言葉に飄々とした仕草と共に答える。
「それは特務クラスか、もしくは一般生徒だけど、能力が特務級なだけであって、まぁ、副長クラスではないというわけよ。それに点蔵君は忍者だし、ウルキアガ君は異端審問官、ミトツダイラ君は確かに近接系だけど、パワータイプだからなぁ………高速戦闘は苦手なんだよ"武蔵"さん。だから、全員が全員純粋に斬り合うバトルスタイルじゃあないよなぁ」
「……Jud.確かにそうですね。酒井様に言われると思わず、思考が嫌な意味で乱れてしまいますけど。許容範囲内です、ええ。"奥多摩"に比べればマシですとも───以上」
「………怒っている?」
「いえ。自動人形には感情がありませんから───以上」
苦笑する酒井に武蔵はあくまで無表情である。
とは言っても、自動人形の態度としては別段おかしなところは一切ない。
だから、二人はそのことについては何も言わずに話を続ける。
「副長クラス………確かに見たところ、副長の姿が見えませんね───以上」
「本当のことを言
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