始業式を告げる鐘
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な大きさを見せられたら、俺達みたいな仲良しは、その罪を消してやろうと善意で揉もうとするに決まってんじゃねーか!!」
弓を向けると三人は逃げようとする。
まったく……と本当に変わらない自分達の関係に思わず心の中で苦笑してしまう。
何時までもこの関係が続いてくれれば……なんて夢みたいなことは言えないのだが、やはり、こうして皆でいる間はこういう関係でいたいですねと思う。
でも、カラダネタはノーサンキューですが。
そうして、はぁと溜息を吐いているとトーリ君がいきなりという調子で皆の方に視線を向ける。
「あのさ、皆、ちょっと聞いてくれ。前々からちょっと話してたと思うんだけど」
本当にいきなり彼は仰天発言を繰り出した。
「───明日、俺、コクろうと思うわ」
その発言に皆が息を呑み、そして、トーリを除いた皆がスクラムを組んで小声で話した。
「コクって一秒でお断りの平手が来るに一票。どうよ?」
「自分はその前に目を合わせてもらえないんじゃないかと思うんですけど……」
「というか、あの馬鹿を見ることが出来る女がこの世にいるのか? 幾ら私でも、世界を買えるくらいのお金を貰わねば見おうとも思わん。むしろ、消す為に金を使ってもいいくらいだ」
「んーシロ君。そこまではっきり言ったらトーリ君。きっとまたおかしくなると思うからもっと穏やかに言った方がいいと思うよ。こっち見んな馬鹿って」
「な、何で皆してそんな事を言うんですか! もうちょいトーリ君の為に何かいいことを言ってあげましょうよ!! だって、これからトーリ君はコクった相手に振られるどころか見られる事も喋られる事もなく汚物のような扱いを受ける未来しかないんですから!」
「悲観の祝詞を告げる巫女がここにいるぞ!」
「お、おめぇら……! 少しは他人の幸福夢気分を祝おうとかそんな気持ちはねぇのか!」
トーリの意見は全員無視することによって会話が進んだ。
この匠の流れにさしものトーリも打開する術がなかったので、「ち、ちくしょう……! こうなったら、今、新開発中の餃子をここでやるしかねえのか……!」などとほざいていた。
そんな馬鹿に喜美が狂った言動を言いながら誰にコクるのかを聞いてみると、トーリは何時もと同じ笑顔で当たり前のように告げた。
「───ホライゾンだよ」
皆の呼吸が一瞬止まる。
誰もがトーリが告げた名に軋みを覚える。その少女の名を知らない人物は梅組にはいない。
そして彼が何をしようとしているのかも。
でも、誰もが息を止める中、一人だけ態度を変えない人間がいた。
熱田だ。
「訂正してやる。0.5秒でいきなり股間を殴られて悶絶するのがお前の未来だ。昔からお前はあいつのサンドバックだ───標的は股間だ
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